2019年6月3日月曜日

(K0764) JR東海共和駅・認知症患者列車事故事件裁判(3) 認知症「神戸モデル」の意義 <脳の健康>

 
 認知症の人にやさしいまち「神戸モデル」は、二本立てになっています

1.   認知症診断助成制度(認知症の早期受診を支援する2段階方式)
2.   認知症事故救済制度(無料で受けられる4つの安心)
 

「4つの安心」とは、

2.1.    見舞金(給付金)制度
2.2.    賠償責任保険制度
2.3.    GPS安心かけつけサービス
2.4.    認知症事故救済コールセンター
 

 ここで、「2.1. 見舞金(給付金)制度」「2.2. 賠償責任保険制度」の意義を整理します。
 


A)   認知症「神戸モデル」の「見舞金(給付金)制度」と「賠償責任保険制度」(添付図参照)

1.   見舞金(給付金)制度
 認知症と診断された方が起こした事故で被害に遭われた市民の方に見舞金(給付金)を支給します

1.1.  被害に遭われた市民に支給
 死亡、後遺障害、入院、通院、財物損壊、休業損害

1.2.  事故を起こした市民に支給
 被害者見舞費用、類焼被害者見舞費用
 

2.   賠償責任保険制度

2.1.  認知症者が事故を起こし賠償責任を負ったとき
 認知症と診断された方が事故を起こし賠償責任を負われた場合(家族も含む)に備え、神戸市が保険料を負担して賠償責任保険に加入します

2.2.  認知症者が交通事故で死んだとき
 認知症の方が交通事故等(自動車事故含む)でお亡くなりになった場合等に保険金を支払います。
 死亡、後遺障害
 


B)   懸念点~(K0760)参照~ と 認知症「神戸市モデル」

(1)        認知症患者の起こした事故により、全額の損害賠償責任を家族が負うことがある
 … 「賠償責任保険制度」でカバー
 
(2)        加害者家族に優しい判決は、被害者には優しくない・過酷な判決である
 … 「見舞金(給付金)制度」でカバー
 
(3)        被害者自身が加入する保険による救済には、条件がある
 … 「見舞金(給付金)制度」でカバー
 
(4)     加害者家族に損害賠償責任が認められても、賠償金を受け取れないこともある
 … 「見舞金(給付金)制度」でカバー
 

 「賠償責任保険制度」に関心が向いているように感じられますが、実は「見舞金(給付金)制度」も大きな役割を担っているのです。しかも、「賠償責任保険制度」の適用には時間がかかるが、それよりも早く「見舞金(給付金)制度」が執行されるようです。
 
 このシリーズ、終わり

0 件のコメント:

コメントを投稿