(K765)からの続き
人間の本来の寿命は50年であり、「50歳以降の人生というのは、医療や技術によって作られた特別な時間であり、感謝しないといけない」。そして、「次世代のために生きることが、長生きの許可証が与えられる条件」と言われています。
ヒトが他の動物と二つの点で大いに違います。
① ヒトの赤ちゃんは身体的未熟児の状態で生まれてくる
多くの動物では赤ちゃんは生まれて間もなく自立し歩き始めるのに対し、ヒトの赤ちゃんが歩き始めるのは生後11-12ヶ月後です。ということは身体的未熟児なのだ、と言われれば納得せざるを得ません。
https://www.cheese-professional.com/article/column/detail.php?KIJI_ID=907
② ヒトのメスは閉経して子供を産めなくなったあとも、健康で長く生き続けるように進化した
チンパンジーの出産間隔は5〜7年と長い。ところが、ヒトは毎年だって子供を産める。だが、これでは母親が1人で子供の世話をすることは、とうてい無理だ。そのために、ヒトのメスは閉経して子供を産めなくなったあとも、健康で長く生き続けるように進化した。(おばあさん仮説)
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/59146
この二つは関係する。「ヒトのメスは閉経して子供を産めなくなったあとも、健康で長く生き続けるように進化した」おかげで、「ヒトは毎年だって子供を産める」ようになった。それは、「母親が1人で子供の世話をする」ことを、おばあさんが助けるからです。
(K0765)で紹介したドクチョウは、
===== 引用はじめ「長生きする理由は、鳥に自分を食べさせることで有毒だと学習させ、次世代を狙われにくくしていると解釈できる」
そこから生物学的に導き出されるのは、「次世代のために生きることが、長生きの許可証が与えられる条件」になるのだと説明する。
これを人間に当てはめると、「体力的に可能なら、例えば孫の面倒を見たり、農業などで食糧を生産したり、老老介護を行ったりすることは次世代の負担を軽減できるので勧められる」という。
===== 引用おわり
<出典>
次世代の負担減らす人生を 生物学者・本川達雄氏に聞く【100歳時代プロジェクト】 産経新聞(2019/05/21)
【100歳時代プロジェクト】次世代の負担減らす人生を 生物学者・本川達雄氏に聞く
https://www.sankei.com/life/news/190521/lif1905210032-n1.html
写真は、以下から転載
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/59146
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