2019年6月25日火曜日

(K0786)  認知症診断を早く受けることを勧める理由 <脳の無健康>

 
 「認知症だと診断を受けても、どうせ治らないので、診断を受けない」という人がいるようですが、とんでもない間違いです。


(1)  治る認知症もあります
(2)  MCIで発見できれば、認知症にならないですむ可能性があります
(3)  認知症になってからでは診断を受けるのが難しくなり、打てるはずの手を打てなくなります
 

【展開】

(1)  治る認知症もあります
 「認知症」とは病名ではなく、症状を説明する言葉です。「認知症」になる代表的な病気が「アルツハイマー型認知症」で、これは進行を遅らせることはできるが、治すことはできないと言われています。その一方、治る認知症もあります。
 
治るタイプの認知症
      正常圧水頭症(せいじょうあつすいとうしょう)
 脳脊髄液(のうせきずいえき)が脳室に過剰にたまり、脳を圧迫します。
      慢性硬膜下血腫(まんせいこうまくかけっしゅ)
 頭をぶつけたりしたときに頭蓋骨と脳の間に血の固まりができ、それが脳を圧迫します。
      その他、脳腫瘍、甲状腺機能低下症、栄養障害、薬物やアルコールに関連するものなど

 
 認知症の疑いがあるとわかれば、精密検査をしてこれらの病気を発見し、治療し、治ることもあります。放置すると、認知症が悪化していきます。
 

(2)  MCI(軽度認知障害)で発見できれば、認知症にならないですむ可能性があります
 アルツハイマー病によるMCIはアルツハイマー型認知症と診断される前段階の状態です。  アルツハイマー病によるMCIを放置すると、数年後にはアルツハイマー型認知症を発症すると考えられています。  早い段階で発見し対策することで認知症の症状が最後まで出なくてすむケースもあります。
http://sodan.e-65.net/mci/04.html
 

 認知症の方に認知症検査を受けてもらうのは、本人がいやがって、とても難しいと言われています。あなたが認知症になった時には、家族があなたを病院に連れて行けないかもしれません。今なら、自分の判断・意思で認知症の検査を受けることができます。
 認知症が進行しそうな状況なら、認知症の進行を遅らせて認知症がひどくならないように食い止めたり、認知症になっても周りがあまり困らないように準備したり、また、自分も平穏に暮らせるよう準備したりしておくことも考えられます。
 認知症が進行中と分かったら終わりではありません。これから死ぬまでの時間をより豊かにしていく作業の始まりです。先手必勝。先手を取るためには、早期の認知症診断が必要です。

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