2019年6月29日土曜日

(K0790)  優しくするってどういうこと? <臨死期><親しい人の死>

 
 「生きることは楽しいこと」なのか「生きることは苦しいこと」なのか、は一概には決められない。楽しいと思うか、苦しいと思うかは、本人次第であり、他者が良いとか悪いとかは言えない。

 コントロールすることはできないが、意図する・しないは別にして、影響はある。自分の行動や存在が誰かに苦しみを与えているなら悲しいことだし、楽しさに寄与しているなら嬉しいことだ。ただ、そればかり気にして生きようとすると、自分を生きれなくなり、自分が苦しくなるので、ほどほどにするしかない。
 
 
 とはいえ、家族だと特別の思いも出てくる。(K0788)で呼吸が戻らないままに逝かれた方の息子さんに聞いたそうです。
 
===== 引用はじめ
 息子さんに「あの頃を思い出して今思うことは何でしょうか」とお尋ねしたところ、「もっと優しくしておけばよかったなと思います」ということでした。

 「優しくするって具体的にどうされたかったのですか?」とお尋ねすると「自宅に帰らせてあければよかった」ということでした。忙しさの中で後回しになっていた「自宅に帰りたい」という願いをかなえてあげることができていればということでした。
===== 引用おわり
 
===== 引用はじめ
 ついつい親に強く当たってしまうあなたが親にやさしくするとすれば何をしますか? 私にとっても大きな宿題です。あの親に優しくする? うーん難題。でも残り時間がいくらでもあると思わずしっかり考えます。
===== 引用おわり
 

 後でカバーできることと、後ではカバーできないことがある。臨死期が近づくと、全てが「後ではカバーできない」ことになっていきます。「優しくするって具体的にどうすることなのか?」――自問を繰り返さないと、行動に移せません。
 

<出典>
尾崎容子、優しくするってどうすること?
【在宅善哉】 産経新聞(2019/05/28)
 
添付写真は、以下より転載。
http://okhomeclinic.com/message/index.html

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