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東京都の超高齢化が進んでいる。都市構造、医療や介護の受け入れ態勢、コロナウイルスに起因する高齢者の健康問題さらには経済への影響も深刻だ。他の大都市も後追いで似た状況になるだろう。他人ごとではない
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東京都の80歳以上人口(9月15日時点)が、前年より約3万2000人増えて約100万7000人となった。100万人を突破したのは初めてだ。東京都は狭く、一部の島などを除き多くの住民の生活圏は一体化している。いわば「80歳以上のみの政令指定都市」を抱えたようなものだ。
超高齢化の要因
(1) 数十年も前に上京した“かつての若者”が年齢を重ねた
(2) 上京した若い世代が故郷から老親を呼び寄せるケースが増えた
都市の超高齢化に備えねばならない
1.
都市構造
(1) これまで東京はビジネス優先、若者優先の街づくりを進めてきた。「東京」といえば“若者のまち”とイメージしがちだが、そろそろ認識を改めた方がよい
(2) 機敏に動けない人が一定数を占めるようになれば、人の流れは現在よりスローにならざるを得ない
(3) バリアフリー化は進んできたとはいえ、階段や段差もいまだ数多く残っている
2.
医療や介護の受け入れ態勢
(1) 東京都には、高齢者に多い慢性期の病状の患者を受け入れる病院や看護施設は少ない。今後は、ベッドが不足する可能性が大きい
(2) 他県の自治体と提携し、要介護者を受け入れてもらう取り組みもみられるが、こうした手法には限界がある
3.
感染症リスクに対する脆弱さ
3.1. 高齢者の健康問題
(1) 新型コロナウイルスで明らかになった感染症リスクに対する脆弱さが新たな課題だ、人口が過密であるがゆえに、感染しやすいのだ
(2) 自宅やその周辺に閉じ籠もるような生活になっている人が少なくない。都会生活特有の近所づきあいの希薄さもあって、日常生活に困るケースが出てくる
3.2. 経済への影響が深刻だ
(1) 高齢者世帯の消費支出は他の世代よりも低水準だが、ボリュームが大きく消費全体に与えるインパクトは小さくない
(2) 東京都で仮に70歳以上が消費生活を極端に控えたならば、マーケットは単純計算して1割以上縮むことになる
東京都が先行しているが、その大都市も後追いで似た状況になっていくだろう。他人ごとではない。
<出典>
80歳以上100万人 東京都の超高齢化に備えよ 客員論説委員・河合雅司
産経新聞(2020/09/20)
https://special.sankei.com/a/life/article/20200920/0002.html
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