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ひとりの時間を持て余す人もいれば、堪能している人もいる。今ある環境、残されたエネルギーにみあった「ひとりの時間」の過ごし方を発見できた人は、幸せだ。どこかにあるものでなく、誰かがくれるものでもない
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『古里は身近な場所で思う時』
===== 引用はじめ
…(旧友との)会話が弾むと、郷里の土や草木など自然の香りがほのかに漂ってくるような感覚になった。そこで … 近くの自然公園にしばしば足を運ぶようになった。
…
ひとりで春は菜の花畑に舞うチョウを見た。初夏は、新緑に癒され、秋は黄金色に実った稲穂に触れた。そうすると旧友の電話の声と自然が重なり、まるで郷里にいるようなゆったりした時間に包まれた。そのようにして郷里に思いをはせている。
===== 引用おわり
無職 古藤嘉久次 75
『予想外…老後の幸せに感謝』
===== 引用はじめ
未婚の娘が出てから、ひとり暮らしが25年になる。毎日、気楽な生活を楽しんでいる。
…
朝早く起き、コーヒーをゆっくりと味わいながら… … ベランダの花や野菜の手入れをしながら、季節の移り変わりを堪能する。
趣味は、洋裁に芸だ。… 退屈することがない。認知症とは無縁の生活だ。
…
若い頃の慌ただしさと苦労を思えば、老後にこんな幸せがくるとは思ってもみなかった。今の生活が最高で、ただただ感謝している。
===== 引用おわり
無職 徳永愛子 81
『孤独な戦い「数独」にも同士』
===== 引用はじめ
80歳の頃、認知症の予防にいいと知って、「数独」にはまった。…
…
… 問題集を買ってきてページごとに時間を計って挑戦している。前日より早くできたら自分に拍手だ。
知り合いに勧めたが、興味を持ってもらえない。数独とは数字との孤独な戦いと思うようにして、あきらめた。
ある日、地下鉄に乗ると、入り口のドアにもたれて数独をしている男性を見かけた。
…うれしくなった。
===== 引用おわり
主婦 高垣和子 83
過去や未来の「私」に出会う
===== 引用はじめ
…
コロナ禍により外出自粛をするようになった頃から「現在」の自分と「未来と過去」の自分を見つめている自分とが対話をするような不思議な時間がある。その時間とは新聞や雑誌に載った記事や、家族との思い出の写真や手記を整理し、関心があったものを改めて見る一時のことである。
あるいは、毎夜、寝床に入ってから眠りに就くまでの静かな時間のことでもある。 …
…
このようにして、ひとりで過ごす時間は確かに自分と、もうひとりの自分との対話が始まる有意義な時間なのだ。
===== 引用おわり
学校教育支援員 佐原利幸 73
<出典>
談話室 産経新聞(2020/10/30)
添付は、
平成25年版消費者白書 「第1部 消費者行動・意識と消費者問題の現状」
https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_research/white_paper/2013/white_paper_1024.html
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