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大家族に見守られながら旅立たれた40代女性のご主人「先生、なんかね、ほんまに最後、『しんどい』って言うことなく亡くなったでしょ。あれ、もっとしんどがってもいいから、もっと何かしてあけたかったですわ」
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A)
家族として
(1) 緩和ケアで症状が落ち着いて、何事もないかのように静かに眠っているだけというのは、ご家族にとってはそれだけで「異常事態」なのです。「しんどい」とうなっているほうが「了解可能」なのです。
(2) 「何かしてあげたい」という気持ちを満たすことができない状態で旅立ってしまわれると、喪失感もひとしおのようなのです。
B)
在宅医として
(1) 実は、この状態が私の考える『いい状態』なのです。眠ってばかりで心配かもしれませんが、最後に向かって体力が落ちてきて、そこでしんどい症状が取れたら、こうして眠っているばかりになるのです。
(2) 「何かしてあげたい」を満たしてもらえるように、患者さんへのケアの内容をもっと具体的に説明するようにしました。その中で「もっと何かしてあげたい」が満たされるといいなあと思います。
<出典>
尾崎容子、「家族の気持ちに寄り添う」
【在宅善哉】 産経新聞(2020/09/12)
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