2020年12月4日金曜日

(K1313)  専門性のある医師の言葉 読者に響く(2) <臨死期>

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《終末期において、心身共にだんだんと弱ってきている状態で、よりよく自分らしく、そうそう生きられるものではない》と吐露。《わがままに、超自己中に生きていけばいい。患者風を大いに吹かせよう》ユーモラスに

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(1) 大橋洋平、『緩和ケア医が、がんになって』(双葉社)

 昨年出版され、話題となった。大橋さんは、平成30年6月、希少がん「消化管間質腫瘍(GIST)」と診断された。著書には、患者になって分かった苦しみや揺れる心情が綴(つづ)られている。

 共感を呼んでいるのが、きれいごとではない、ストレートな思いの数々だ。《終末期において、心身共にだんだんと弱ってきている状態で、よりよく、自分らしく、そうそう生きられるものではない》と吐露。《わがままに、超自己中に生きていけばいい。患者風を大いに吹かせよう》と、ユーモラスに描写する。

 

(2) 大橋洋平、『がんを生きる緩和ケア医が答える命の質問58』(双葉社)

 今年9月に出版した。担当編集者は「がんになって、明るく前向きに生きるのはなかなか難しい。患者は当たり前に弱音を吐いていいというメッセージが、がん患者さんやそのご家族に響いているのではないでしょうか」と話す。

 

(3) 清水研、『がんで不安なあなたに読んでほしい。』(ビジネス社)

 著者は、がん研有明病院の清水研・腫瘍精神科部長。患者や家族のカウンセリング経験をもとに、紙上で相談を再現。「治療がうまくいってる人がうらやましい」「初期の段階でがんを見つけてもらえなかった。その悔しさが消せない」といった、他人に相談しづらい内容も取り上げた。読者からは「この本に出合えて気持ちに余裕ができた」などの声が寄せられたという。

 

<出典>

専門性のある医師の言葉 読者に響く

産経新聞(2020/11/30)

https://www.sankei.com/life/news/201025/lif2010250003-n1.html



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