2020年12月12日土曜日

(K1322)  眠ってばかりの状態から旅立つこと(8) <臨死期>

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がんの末期など全身状態が悪くなった患者さんが人工呼吸や心臓マッサージなどの心肺蘇生で回復することはほとんどありません。心肺蘇生そのものが患者さんにとって苦痛になる可能性があります → 心肺蘇生は行わない

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 1回の呼吸と呼吸の間が徐々に間隔があいてきます。息をしない時間が長くなり、家族は不安と共に見守る時間が続いて、やがて下顎呼吸が出現します。目は仏像のように半開きになり、大抵はまつげに触っても瞬きをしません。

 そして、最期の時がいよいよ近づいてくると血圧が下がり、血の巡りが悪くなってくると手足の先が冷たくなって、脈がふれなくなり、手の指、足の指は紫色(チアノーゼ)に変わっていきます。

 最期の呼吸は大きな息を吐いて終わることが多い。しばらく息が途絶えた後に、大きな息をすることもあります。こうして、呼吸が止まると、まもなく心臓、脳も機能を停止する。瞳孔反射がなくなり、息をせず、心音がないとき、医師は社会的な「死」を、時間と共に宣告します。

 しかし、すべての人が同じ経過を経るものではなく、その方によって異なります。食べたり飲んだりすることが減り、おしっこが少なくなり、眠っている時間が長くなり、あと1週間ぐらいと思っていても急に息を引き取られることもあります。朝、見に行ったら呼吸が止まっているのに気がついた時はどうしたらいいでしょうか?がんの末期など全身状態が悪くなった患者さんが人工呼吸や心臓マッサージなどの心肺蘇生で回復することはほとんどありません。心肺蘇生そのものが患者さんにとって苦痛になる可能性があります。直前までお元気だった場合を除くと心肺蘇生は行わず、静かに見守ってあげるのが良いと思います。

 

<出典>

旅立ちが近づいてきたら / Welcome to 佐野内科ハートクリニック

https://heart-clinic.jp/%E5%9C%A8%E5%AE%85%E8%A8%BA%E7%99%82/




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