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若いときだってお互いさまで生きているのに、認知症と診断されたら『危ない』とか『出歩かないで』とか言われて、自分らしく過ごせなくなる。ここは決まりがないから、毎回、小さなドラマが生まれる。すごく大事
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前回からの続き
「竹林プロジェクト」
仕掛けたのは、同市に住む自称「まちのおばちゃん」、松本礼子(あやこ)さんだ。認知症の人に戸外で活動する場を提供したいとスタートした。
活動の発端は、松本さんが介護事業のかたわら始めた「認知症の人とともに歩む本人会議」。当事者が集まり、互いの体験を共有したり、不満を分かち合ったりして元気を取り戻す場だ。
だが、室内の活動にとどまらず、戸外が好きな人には外で体を動かせる場があった方がいい、と考えた。町田市に趣旨を説明し、竹林を貸してもらった。
背景には、既存の介護サービスへの疑問がある。松本さんは「若いときだってお互いさまで生きているのに、認知症と診断されたら『危ない』とか『出歩かないで』とか言われて、自分らしく過ごせなくなる。ここは決まりがないから、毎回、小さなドラマが生まれる。それがすごく大事」と訴える。
当事者の一人、岡本寛治さん(79)がチェーンソー用ヘルメットを脱いで言った。「汗をかいた。でも、そのぐらいがいい。夜、ぐっすり眠れる」
岡本さんは美大出の元グラフィックデザイナー。認知症があり、要介護2の認定を受けているが、「少し忘れっぽい方が、人間らしくていいでしょう」と前向きだ。「働くことは大好き。昔は小田急ハルクの仕事もしたんだよ。物づくりは優秀な方だったし、こうして働いていると元気でいられる」
<出典>
認知症だけど「自分らしく」 竹林プロジェクト
【ゆうゆうLife】 産経新聞(2020/12/19)
https://www.sankei.com/life/news/201218/lif2012180012-n1.html
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