2018年5月8日火曜日

(K0373)  冷蔵庫にいっぱいの人参。さあ、どうする? <脳の健康><地域の再構築>

 
 一人暮らしの母親の冷蔵庫の中に、ニンジンがいっぱい。「なに? これ??」

===== 引用はじめ
 このような症状を示すのは、一人で買い物にも行け、代金も支払える比較的初期の人に多いようです。何らかの理由があってその品物に特別の関心があり、家には大量にあることを覚えていなくて、見つけると買わずにいられないようです。
===== 引用おわり

 
 本人は必要を感じて買ってくるのだから、注意をしても直らない。さて、この対策はどうすればよいか。そんなときは、やはり周りの人たちの協力を得るしかない。

===== 引用はじめ

(1)  よく行きそうな近所の店に事情を話し、「昨日も買っていかれましたよ」「おうちにはたくさんあるはずですよ」などと言って買うことを思いとどまらせてもらう
(2)  米ばかり買ってくる女性の場合は、店の方が「買い物も楽しみだろうから」と言って、後日家族が商品を届ければ代金を返してくれることになりました。
===== 引用おわり
(箇条書きにした)
 

 ここからは、私からのコメント。

(1)  徘徊も含め、認知症の問題は家庭内ではとどまらず、地域の協力が必要。そのためには、

   認知症になったことを地域に話して協力を求める(秘密にしない) … 知らないと地域の人は協力しようがない
   認知症になっても安心できる地域である
   このうち②は、最初からあるのではない。家族が認知症になったことを告げ周りの人に理解を求める(①)。周りの人がそれに応えて協力する。このプロセスの繰り返しによってこそ、「認知症になっても安心できる地域」が作られていくのではないか
 

(2)  後見制度でできること、できないこと

   悪質業者にだまされて買った高額商品を解約することは可能
   本人が買った日用品の購入を取り消すことはでない(日用品まで介入するのは、本人の意思を不当に束縛するため)
 

<出典>
冷蔵庫いっぱいのニンジン
【高見国生の認知症だより(30)】 産経新聞(2018/05/03)
添付図は、この誌面から

 
 


0 件のコメント:

コメントを投稿