一人暮らしの母親の冷蔵庫の中に、ニンジンがいっぱい。「なに? これ??」
===== 引用はじめ
このような症状を示すのは、一人で買い物にも行け、代金も支払える比較的初期の人に多いようです。何らかの理由があってその品物に特別の関心があり、家には大量にあることを覚えていなくて、見つけると買わずにいられないようです。===== 引用おわり
本人は必要を感じて買ってくるのだから、注意をしても直らない。さて、この対策はどうすればよいか。そんなときは、やはり周りの人たちの協力を得るしかない。
===== 引用はじめ
(1) よく行きそうな近所の店に事情を話し、「昨日も買っていかれましたよ」「おうちにはたくさんあるはずですよ」などと言って買うことを思いとどまらせてもらう
(2) 米ばかり買ってくる女性の場合は、店の方が「買い物も楽しみだろうから」と言って、後日家族が商品を届ければ代金を返してくれることになりました。
===== 引用おわり
(箇条書きにした)
ここからは、私からのコメント。
(1) 徘徊も含め、認知症の問題は家庭内ではとどまらず、地域の協力が必要。そのためには、
①
認知症になったことを地域に話して協力を求める(秘密にしない) … 知らないと地域の人は協力しようがない
②
認知症になっても安心できる地域である
③
このうち②は、最初からあるのではない。家族が認知症になったことを告げ周りの人に理解を求める(①)。周りの人がそれに応えて協力する。このプロセスの繰り返しによってこそ、「認知症になっても安心できる地域」が作られていくのではないか
(2) 後見制度でできること、できないこと
①
悪質業者にだまされて買った高額商品を解約することは可能
②
本人が買った日用品の購入を取り消すことはでない(日用品まで介入するのは、本人の意思を不当に束縛するため)
<出典>
冷蔵庫いっぱいのニンジン【高見国生の認知症だより(30)】 産経新聞(2018/05/03)
添付図は、この誌面から
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