2018年5月30日水曜日

(K0395) 「7割国家」と地方(2)対策編 <少子高齢化>

 
 前回からの続き。
 


1.   半世紀後の日本は「7割国家」となる。
   「7割国家」では、持続が困難となる自治体が増えていることが予想される

1.1.  自治体職員の確保が難しくなる

1.2.  税収の確保が難しくなる。一方、人件費の圧縮は見込めない

――――― ここまでが前回 ―――――
 

2.   では、こうした状況にどう対応すればよいか
   住民の人口も大きく減り、職員数や税収を思ったように確保できない自治体が増える前に、行政サービスや公的サービスの在り方を根本から考え直さざるを得ない。
 

2.1.  まずは、都道府県と基礎自治体の二層制を見直し、都道府県が基礎自治体の役割を担うようにすることだ
   基礎自治体は都道府県を原則とし、市区町村を例外的に「設置することができる」という仕組みに改めるのである。
 

2.2.  住民に対しては、「集住エリア」を定めて地域内移住を求める
   行政サービスや公的サービスは、最低限こうした「集住エリア」まで届ければよいことにする。
 

 人口減少時代には「行政に多くを頼むことはできない」との覚悟が必要だ。かなり柔軟な発想で臨まなければ、社会は続かなくなるだろう。
 


 以上が、新聞記事の紹介である。よくまとまっており、いずれも大切なことだが、とりたてて新しいことが書いてあるわけではない。
 

<出典>

河合雅司(論説委員)、 都道府県を基礎自治体に / 「7割国家」と地方
【日曜講座 少子高齢時代】産経新聞(2018/05/20)
 
「7割国家」と地方 都道府県を基礎自治体に 論説委員・河合雅司
https://www.sankei.com/premium/news/180520/prm1805200016-n1.html
 

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 以下、私から3点


1. 対処可能である

 「7割国家」になっても、対応すれば対処可能だと思う
  対応とは、ライフスタイルの変化と住み方の変化
  対応しないと、さまざまなホコロビが出てくるだろう
 

2. ライフスタイルを変えなければならない

 前回示した「年齢ごとの人口推移」を元データとして作成した「表1 年齢ごとの人口推移と給与」を添付する。「人口総合計」「給与総合計」を合計して割り算すると「総平均給与」を算出できる。「総平均給与」は、25年間で5%減ると予想される。
 この値は、戦後一貫して増え続けてきたのが、減り始めるという大きな変換点にきている。ただ、その減り方は遅い。1960年に首相に就任した池田勇人が打ち出した「国民所得倍増計画」にでは、10年間で2倍で増えた。スピードが全然と違う。
 また、そのお陰で諸外国と比較して日本は随分豊かになった。5%減ったとして、日本の豊かさの絶対値は、他国と比べて遜色はない。
 スピード、絶対値だけでなく、正から負への転換が大きい。それに対応するためには、我々のライフスタイルを変えなければならない。
 

3. 住み方を変えなければならない

 添付した「図1 行政経費と人口」によれば、人口が減ると、一人当たりの行政経費は増える。その増加分減らすには、行政経費の固定部分を減らすことが有効であり、これを是非とも実現させねばならない。コンパクト化が焦点になる。
 住民に対しては、「集住エリア」を定めて地域内移住を求めることになる。しかしながら、憲法の「居住移転の自由」を主張して、抵抗があるだろう。強制的に移住させることはできないので、行政サービスや公的サービスを「集住エリア」まで届けることに限定し、移住を促すぐらいしかできないが、うまくいくか?
 
 


 いずれにせよ、国民の意識の転換と協力が必要であり、これが無いと人口減に対応できず、国民生活全体が、どうにもならない方向へ、沈んでしまう。
 
 「7割国家」は、うまく乗り越えられるかもしれないし、うまく乗り越えられないかもしれない。少なくともチャンスはあるが、ピンチもある。それを決めるのは、一人一人の国民だ。





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