===== 引用はじめ
高齢者が高齢者を介護する「老老介護」では、低所得層ほど介護が長時間に及ぶ傾向があることが25日までに、国立長寿医療研究センター(愛知県大府市)の調査で分かった。
生活保護受給世帯の高齢者は年間所得が318万円以上の世帯に比べ週72時間以上家族を介護する可能性が約2.7倍だった。行政から外部サービスに関する情報が入りにくかったり、身近に相談できる人がおらず世帯単位で孤立していたりする恐れがある。
===== 引用おわり
===== 引用はじめ
週72時間以上介護する可能性は、最も所得が高いグループ(318万円以上)を1とした場合、200万~318万円未満が1.63、130万~200万円未満が1.86、130万円未満が1.79だった。生活保護受給世帯では、家族を長時間介護する可能性が2.68と突出して高かった。
===== 引用おわり (添付図参照)
「高齢者が家族を在宅で週72時間以上家族を介護する可能性」の傾向を二つの傾向に分けてみる
①
家族1人当たりの所得が低いほど、可能性が高くなる② 生活保護受給者は、可能性が突出して高い
このうち①は、「所得が低いと介護保険サービスを利用しにくくなり、家族を介護する時間が増える」と説明することは可能である。しかし、説明が正しいと仮定すると、②を説明できない。
「生活保護受給者は介護保険サービスを自己負担なしで受けられるため、本来は家族だけで介護を抱え込まずに済む仕組みになっている」。だから、①の説明を適用すると、お金の心配なく介護保険を使え、生活保護受給者の「高齢者が家族を在宅で週72時間以上家族を介護する可能性」は低下するはずである。しかし、実際は逆に高くなっている。①の原理では説明できない。
そこで、二つの原理を導入しなければならなくなる。
① 経済原理② 非経済原理
そして、「非経済原理」とは何かを明らかにしなければならなくなる。
===== 引用はじめ
同センター(*)老年社会科学研究部の斎藤民室長は「介護を助けてくれる人がいるかどうかや、サービスに関する情報が届いていないことなども影響しているとみられる」と分析。「長時間介護は健康を損ない、在宅介護が継続できなくなる要因にもなっている」と指摘した。===== 引用おわり
(*)国立長寿医療研究センター
生活保護受給者が孤立している
↓
A)
介護を助けてくれる人がいない
B)
サービスに関する情報が届いていない
↓
A)
介護保険外のことは頼めない
B)
介護保険を使えない
↓
「高齢者が家族を在宅で週72時間以上家族を介護する可能性」が高まる。
↓
在宅介護を継続できない要因にもなる
労働介護状態になっても誰もが排除されないためには(インクルーシブ社会にしていくためには)、
・ 公助・共助の仕組みを整えるだけでなく
・ 公助・共助を使えるようにする支援・ 互助を充実させる
なども必要だろう。
<出典>
老老介護、低所得は長時間 生活保護受給者は2.7倍
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO32203370V20C18A6CR8000/添付図は、産経新聞(2018/06/29)より
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