NPOは志を持った人がつくる。でも少人数では、できることが限られる。目的を成し遂げるには、自分たちの思いを理解し、支援してくれる人が必要だ。
アジアの児童買春問題に取り組むNPO「かものはしプロジェクト」は、仲間を増やそうと年に100回以上もミニ集会や講演会を催す。「ネットで発信することは大切。でもこの問題を知ってもらうには、生身の人間が感じ、思ったことを伝えないと」
「かものはし」は、コアメンバーから同心円状に仲間が広がっていく組織だ。関わり方には濃淡があるが、共感の輪はどこまでも大きくなっていく可能性を秘めている。
① 2人。創業時からの一緒にやってきた共同代表村田さんら
② 12人。専従の職員
③ 約10人。日中にボランティアとして数カ月単位で働く学生や社会人
④ 約1000人(登録ベース)。事務作業を手伝う人
⑤ 7500人。月1000円からの会費を払う人
新聞記事から離れる。
私の印象だが、NPOには2種類あると考えると整理しやすい。閉ざされたNPOと開かれたNPOである。
閉ざされたNPOは、設立当初の会員がほぼ固定されたままで、少しずつ脱会者が出るが(他で忙しくなった、健康をくずした、仲間意識をもてなくなった、等々)、補充はあまりなく、会員はしだいに減っていく。当初会員と途中参加会員との間に「階級」があり、原則として設立当初の会員主導で運営される。人間関係は、強固である。全体して、閉鎖的である。
開かれたNPOは、設立後も、逐次、新規会員を増やしていく。新規会員も運営に参加でき、組織としては比較的にフラットである。会員数は増えていく。新会員の加入で、組織の性格が変わっていくこともある。人間関係は、流動的である。全体として、開放的である。
どちらが良いということはないが、前者は、元々気の合った・気心の知れた集団なので、結束が高く、一致団結して動きやすく、自己実現性が高い。その反面、活動がマンネリ化しやすく、自己満足的になってしまうこともある。後者は、ニーズに合致した会員を増やしていき、ダイバーシティ(多様な人材を積極的に活用しよう)へ指向する。柔軟性が高く発展的である一方、まとめにくく、拡散へ向かってしまうこともある。
<出典>
仲間巻き込み、共感の輪を広げる【NPOで社会を変える】(3) 朝日新聞(2018/06/22)
(教えて!NPOで社会を変える:3)
https://www.asahi.com/articles/DA3S13551105.html
添付図は、ここから
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