2018年7月9日月曜日

(K0435) 「配偶者とどちらが先に死にたいか」 / 「ホスピス・緩和ケアに関する意識調査2018年」(2) <臨死期>

 
(K0432) 「ホスピス・緩和ケアに関する意識調査2018年」 <臨死期>
http://kagayakiken.blogspot.com/2018/07/k04322018.html
の展開である。
 

===== 引用はじめ (添付図参照)
既婚男性の 78.3%が、「自分が先に死にたい」と回答。 既婚女性では意見が半々に分かれる。
 
(0)  既婚者に、自分で死の時期を決められるとしたら、「配偶者より先に死にたいか」 、 「後に 死にたいか」をたずねたところ、
(1)  「自分が先に死にたい」と回答した人が全体で 62.7%、 「自分が後に死にたい」と回答した人 37.3%を上回った。
(2)  性別でみると、男性では「自分が先に死にたい」人が 78.3%なのに対し、女性では 49.9% と半数しかおらず、大きな差がみられた。
(3)  男性の 8 割が先に死にたいと考えていたのに対し、女性は半数にとどまった理由として は、「パートナーを失う悲しみに耐えられないから」、「自分が死ぬときにパートナーがそば にいて欲しいから」などの理由が多く、男性にその傾向が強いといえる。
===== 引用おわり
ホスピス・緩和ケアに関する意識調査2018年(ダイジェスト版)
https://www.hospat.org/assets/templates/hospat/pdf/ishikichousa-2018-digest.pdf
 

 「自分が先に死にたい」人の割合が男性の方が高いのは実感としてわかるが、それにしても、大きな差がついている。個人的には「自分が先に死にたい」派(私は男性)なので、何故女性が低いのかが気にかかる。思いつくのは「①あなたは一人で生きて行けないだろうから、私がちゃんと最期まで看取ってあげる」「②あなたの面倒をみるのは大変だけど、まあいけど、私の人生の最後までそれはいや。最後は、あなたから解放されて、自分本位で生きたい」。どちらかアンケートで聞きたいところだが、正直に答えてくれるか怪しいので、無意味だろう。いや、聞きたくない(笑)


 年代別に見ると、30代、40代をピークにした山型になっている。男女差が大きいので、(性・年齢層別)に分解する方がよかろう。その結果が二つ目の添付図である。女性と男性の差がはっきり出ている。男性はどの年齢層でも「自分が先に死にたい」人が多いが、女性は 50 代までは男性と同様「自分が先に死にたい」人が多いが、60 代、70 代ではその割合が逆転し、「自分が後に死にたい」人が 6 割以上を占めた。これをどう解釈するか。
 
 男性は変化が少ないが、30代と60代とで上がっている。何故か。

 結婚して30代で「妻に最期まで面倒をみてもらえる」と希望を抱くのだが、やがて幻想だとわかり下がるのではないか。また、妻子を養わねばならぬという意識が高まり「自分が先に死にたい」とは簡単には思えなくなるのではないか。
 60代で引退すると肩の荷を下ろすので「自分が先に死にたい」が上昇する余地ができる。
 しかし、こう考えると、妻に経済力がある人はよいが、専業主婦の場合、子も残して自分が先に死んでしまうと、残された妻子が苦労するのは目に見えている。それなのに、「自分が先に死にたい」が70%台をキープしている。つくづく思うのだが、男は身勝手だ。
 
 
 女性は、40代をピークとしたきれいな山型になっている。何故か。

 2030代では「夫の面倒を最期まで看取ってあげよう」と健気に思って低いか、ただ単に毎日が楽しくて「自分が先に死にたい」なんて思いもしないか。ただ、現実に目覚め、その後変化する(「自分が先に死にたい」が増える)のではないか。
 40代をピークにして下がっているのには別の要素があるのではないか。自分が元気なのに、夫はだんだん精気がなくなってくる。これはどうも、自分の方が長生きしそうだという予感が強まってくる。それを踏まえて「自分が後に死にそうだ」と認め、さらに現実を受け入れ「自分が後に死にたい」に変化していくのではないだろうか。



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