2018年7月13日金曜日

(K0439) 「パートナーが先に死んだ場合、心配なこと」 / 「ホスピス・緩和ケアに関する意識調査2018年」(3) <臨死期>

 
これは、

(K0435) 「配偶者とどちらが先に死にたいか」 / 「ホスピス・緩和ケアに関する意識調査2018年」(2) <臨死期>   
http://kagayakiken.blogspot.com/2018/07/k043520182.html

との姉妹編である。
 

===== 引用はじめ
「悲しみから立ち直ることができるかということ」が28.4%でもっとも多い。男性では妻に先立たれると、日常生活や健康管理の不安が大きい。
 
(0)  夫や妻などパートナーが先に死んだ場合、どんなことが心配に思うかを複数回答で答えてもらったところ、

(1)  最も多かった理由として挙がったのは「悲しみから立ち上がることができるかということ」24.8%であった

(2)  性別でみると、男性で最も多かったのは「家事をきちんと行うことができるかということ」(31.9%)であった。次いで「自分の健康管理をきちんと行うことができるかということ」(25.6%)で、男性の場合、パートナーが先に死んだときの心配として、家事や健康管理を女性よりも多く挙げており、男性は妻に先立たれると、自分の日常生活が立ちいかなくなることへの不安が大きいことが示唆された

(3)  実際に配偶者が死別した人(31人)に、死別した後、難しく感じたことを挙げてもらったところ、最も多かったのは「自分なりの生きがいを見つけること」(35.5%)で、次いで「悲しみから立ち直ること」(29.0%)であった
===== 引用おわり
ホスピス・緩和ケアに関する意識調査2018年(ダイジェスト版)
https://www.hospat.org/assets/templates/hospat/pdf/ishikichousa-2018-digest.pdf
 
 


先ず、「悲しみから立ち上がることができるかということ」については、私は次のように考えている。

   伴侶に先立たれたときの悲しみは、男女にかかわらず深い。悲しみの深さの違いは、性差というより個人差ではないか。しかし、時間が経過すると性差がでてくる
   悲しみをずっと引きずり、存在感がなくなってしまう男性が多い
   個人差はあるが、少しずつ悲しみが和らぎ、(少なくとも見た目には)平常な日常に戻る女性が多い。なかには以前より存在感が増す女性も少なくない。実は以前からちゃんと「存在」していたが夫の陰で見えにくかったのに過ぎないのではないか
 

次に、「家事をきちんと行うことができるかということ」「自分の健康管理をきちんと行うことができるかということ」に関連しては、私は以前、次の記事を書いた。

(K0177) 「定年後トライアングル・モデル」 / トライアングル理論(5) <定年後>
http://kagayakiken.blogspot.com/2017/10/k01775.html
(二つ目の図は、ここから再録したもの)

図に示した「生活」「健康」が該当する。夫が妻に依存していたため、妻に先立たれると困ってしまう。

 

最後に、「自分なりの生きがいを見つけること」は、上記モデルの「趣味」「社会活動」が関わる。会社生活に明け暮れていた男性の中には、これを確立しないまま引退を迎えた人が多く、「自分なりの生きがいを見つけること」の難しさにつながる。妻に先立たれたから起こる問題ではなく、妻がいたときは表面化していなかったものが、顕わになったという面もあろう。



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