2018年7月25日水曜日

(K0451) 「ポリファーマシー」(健康被害を招く多剤併用)(1)実情 <体の健康>

 
(K0451) 「ポリファーマシー」(健康被害を招く多剤併用)(1)実情 <体の健康>
 

 宇都宮市の国立病院機構栃木医療センターには「ポリファーマシー外来」がある。「ポリファーマシー」は、健康被害を招く多剤併用のことだ。
 

===== 引用はじめ
 高齢になって持病が増えると、診療科も薬も増える。その結果、薬の飲み合わせによる健康被害も起きやすくなる。
 注意が特に必要な薬もあり、厚生労働省は5月末、適正使用の指針を医療職向けに通知した。
 患者としては、かかりつけ医やかかりつけ薬剤師に、服薬を一元管理してもらうのが健康被害を防ぐ第一歩となる。入院や施設入所など、薬を整理しやすい機会をとらえ、一元管理を実行する動きも出てきている。(佐藤好美)
===== 引用おわり
 

 2回に分けて書く。

A)   「ポリファーマシー」(健康被害を招く多剤併用) 実情
B)   「ポリファーマシー」(健康被害を招く多剤併用) 環境整備
 


 今回は、A)「ポリファーマシー」(健康被害を招く多剤併用) 実情
 
1.   どの様にして「ポリファーマシー」が起こるか
1.1.  症状が改善しても
1.2.  体が変化しても
1.3.  言い出しにくい
 
2.   「ポリファーマシー」の弊害
2.1.  服薬管理が難しくなる
2.2.  リハビリを行えなかったケース
 
3.   薬を整理する
3.1.  「ポリファーマシー外来」での事例
3.2.  薬を整理する好機
3.3.  患者の心得
3.3.1. 関心と納得
3.3.2. 協同作業
 
4.   医療機関
4.1.  数がはっきりしない
4.2.  事例
4.2.1. 宇都宮市の国立病院機構栃木医療センター
4.2.2. 国立長寿医療研究センター(愛知県大府市)
4.3.  医療機関としての難しさ
 
環境整備については、別途とりあげる
 


【展開】
 
1.   どの様にして「ポリファーマシー」が起こるか

1.1.  症状が改善しても
===== 引用はじめ
 処方されたときの症状はおおむね改善しているのに、医師が代わっても、『念のため』などとして薬が継続して処方され、もはや何のために飲んでいるか誰にも分からなくなっているケースもある
===== 引用おわり
 
1.2.  体が変化しても
===== 引用はじめ
 高齢期に体重が軽くなった結果、相対的に薬の量が多くなり過ぎたり、腎機能の低下で薬の排出がうまくいかなかったりすることもある
===== 引用おわり
 
1.3.  言い出しにくい
===== 引用はじめ
 薬の中には、前の前の病院に入院したときから飲んでいたものや、症状が治まったのに飲み続けていたものもあり、以前から多いと思っていた。かかりつけの先生に聞けばよかったのかもしれないが、なかなか言い出せなかった
===== 引用おわり
 

2.   「ポリファーマシー」の弊害

2.1.  服薬管理が難しくなる
===== 引用はじめ
 患者が薬を中断したり、飲み忘れたりするなど服薬管理が徹底しないケースも増える。
===== 引用おわり
 
2.2.  リハビリを行えなかったケース
===== 引用はじめ
 骨折で入院していた80代の女性は、手術後も血圧低下やふらつきで、なかなかリハビリを行えなかった。利尿剤による低血圧が原因とみられ、薬を整理したところリハビリを開始できた。そもそも、骨折自体が低血圧による転倒だった可能性も否定できない。
===== 引用おわり
 

3.   薬を整理する

3.1.  「ポリファーマシー外来」での事例
===== 引用はじめ
 男性は脳血管障害で入院する前から、約10種類の薬を服用していた。入院で新しい薬も必要になり、病院側が薬の見直しを提案した。
 矢吹医長(*)は一剤一剤について説明し、いくつかの薬剤の服用をやめることを提案した。症状や検査結果などから、アルツハイマー型認知症の薬、利尿剤や貧血の薬などは必要性が薄いと考えられたからだ。
===== 引用おわり
(*)宇都宮市の国立病院機構栃木医療センター 内科医長
 
3.2.  薬を整理する好機
===== 引用はじめ
 薬を整理する好機としては、(1)入院したとき(2)在宅医療を導入したとき(3)施設に入所したとき-などが挙がる。いずれも、主治医が1人に決まるタイミングだ。
===== 引用おわり
 
3.3.  患者の心得

3.3.1. 関心と納得
===== 引用はじめ
 薬には優先順位があり、きちんと飲むべき薬も当然、たくさんある。どんな薬を、なぜ飲んでいるのか。自分の病気や薬に関心を持ち、納得して飲むことが大切
===== 引用おわり
 
3.3.2. 協同作業
===== 引用はじめ
 薬を飲むか飲まないかは、医学的な判断以外に患者の価値観も関係してくる。医師と患者が意見を交わし、共同作業で行うことが重要だ
===== 引用おわり
 
 
4.   医療機関

4.1.  数がはっきりしない
 
4.2.  事例
4.2.1. 宇都宮市の国立病院機構栃木医療センター
===== 引用はじめ
 同センターのポリファーマシー外来は3年前にスタートした。65歳以上で5種類以上の薬を使う入院患者が対象。薬剤師や看護師などの多職種でチームを組み、これまでに約150人の薬を検討した。昨年6月までの104人を対象にした集計では、抱える疾患は1人あたり5、6種類。平均8・9剤の薬を4・3剤に減らすことができた。
===== 引用おわり
 
4.2.2. 国立長寿医療研究センター(愛知県大府市)
===== 引用はじめ
 多職種で高齢者の処方を見直すこうした取り組みは、国立長寿医療研究センター(愛知県大府市)などでも行われている。
===== 引用おわり
 
4.3.  医療機関としての難しさ
===== 引用はじめ
 薬の整理には、処方の優先順位や処方量、本人の治療選択などを包括的に考える必要があり、他の医療機関の医師が処方した薬を整理する場合は、情報を共有するなどのすりあわせも必要になる。
===== 引用おわり
 


<出典>
入院機に減薬の取り組みも 高齢者の多剤併用
【ゆうゆうLife】 産経新聞(2018/06/09)
 
高齢者の薬の飲み合わせ、入院を機に見直しも 10種類服用「以前から多いと思っていた」
https://www.sankei.com/life/news/180607/lif1806070010-n1.html
添付写真は、このサイトから。


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