2018年7月19日木曜日

(K0445)  興味深い「異世代ホームシェア」 <現役時代・世代間交流><高齢期の住まい>

 
===== 引用はじめ
 お笑い芸人と1人暮らしの高齢女性が“一つ屋根の下”で温かな絆を育む漫画「大家さんと僕」(新潮社)がロングセラーとなる中、学生が高齢者の自宅の空き部屋を間借りし、ともに暮らす「異世代ホームシェア」の取り組みが広がりを見せている。
 参加する高齢者の多くは1人暮らし。学生にとっては下宿よりも経済的で、高齢者にとっては1人暮らしの不安を減らすことができる。何より、世代を超えた交流が高齢者の毎日を明るくしている。(津川綾子)
===== 引用おわり
 

 異質のものを組み合わせると新しいものが生まれる。


 後付けだが、方程式にすると、次のようになるだろうか。
 
( 「学生」+「高齢者」 )*「家」=「異世代ホームシェア」
 
 ホームシェアするのが異質の人だということが重要だ。


「普通の」ホームシェアは、例えば次のような組み合わせだろう。
 
    学生どうしのホームシェア
   (おひとりさまの)高齢者どうしのホームシェア … 最近、注目されている
    認知症の人が集まると、グループホームになる
    子持ち家族のホームシェア … ヨーロッパ、とくにスウェーデンでは多いらしい。子育てを助け合い、核家族の弱点(特に共稼ぎ家族で子供が病気になったとき)を補う
 
 いずれも同質の人が集まっている


 この「異世代ホームシェア」は違う。

l  学生にとっては下宿よりも経済的
l  高齢者にとっては1人暮らしの不安を減らすことができる
l  何より、世代を超えた交流が高齢者の毎日を明るくしている

違うメリットを生かそうとしている。
 

 NPO法人が仕掛けているようだ(添付写真参照)。

===== 引用はじめ
 2人を引き合わせたのは、異世代ホームシェアの普及を推進するNPO法人「リブ&リブ」(東京都練馬区)。「少子高齢化が進む中、シニアの孤立を防ぎ、世代と血縁を超えた新たな絆をつなぐ」(リブ&リブ代表理事、石橋鍈(ふさ)子さん)ことを目的とし、地方から上京した学生と高齢者をつなぎ同居中も双方の相談に乗り見守る。
 家賃は無料、学生がシニアに払うのは光熱費や生活雑費として月2万円と経済的だ。平成24年の設立以降、都内を中心に13組の同居が成立した。「学生にはおかげで東京で勉強ができると喜ばれ、シニアの方は目に見えて若く元気になっていく」と石橋さん。
===== 引用おわり
 

 他にも事例がある。

===== 引用はじめ
 異世代ホームシェアは、福井大学、京都府なども取り組んでおり、徐々に全国に広がっている。京都府の取り組みは、学生側が支払う住居費は2万5千~3万5千円程度で、これまで9組の学生とシニアの同居が成立。
===== 引用おわり
 

 ただ、記事を見ると良い事ばかりが書いてある。それは、嘘だろう。異質の人が共に過ごすことは難しくて、たくさん問題も発生している筈だ。他人を家の中に呼び込んで、問題が出ないはずがないと思う。その問題点も記事になるようになったら、異世代ホームシェアも本物だ。


 そうはいっても、「異世代ホームシェア」の試みは重要であり、かつ広がりがある。

   高齢者と学生 … 上に紹介している
   高齢者と母子(父子)家庭
   (A)介護力のある高齢者と(B)介護を必要とする高齢者 … そのうち(B)が亡くなり、(A)は要介護(B)になって、別の介護力のある高齢者(A)と暮らし始める … 「順送り」
   異なる困難をもつ人どうし(目が不自由+耳が不自由)(高齢者と軽い精神障害者)なる。厳しい面もあろうが、「負い目」を感じなくてすむ
 
 
 動向に注目したい。
 

<出典>
シニアと学生 新しい互助 / 異世代ホームシェア
産経新聞(2018/07/12)
 
異世代ホームシェア…シニアと学生の新しい互助
https://www.sankei.com/life/news/180712/lif1807120004-n1.html



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