空地を有効利用するためには、空き地を提供する側と利用する側をいかにマチングさせるかが重要。既存のシステムにおける空地の物件マッチング、特に「見える化」について整理します。
先に紹介した寺川政司氏の記事に載っていた「東京R不動産」と「家いちばん」および、神戸の「すまいネット」を調べてみました。
(1) 東京R不動産
「全国のR不動産」のなかの「神戸R不動産」を見ました。
https://www.realkobeestate.jp/?r=b_trf
「通常の不動産業者とは少し異なる部分も多い私たちのサービスについて、まずこちらをお読みいただけたらと思います」とあって、具体的には、
基本のポイント
1. 弊社での紹介取扱い物件は、原則として全てサイト上に掲載していきます。
2. お客様のご希望条件を伺って、物件をお探しすることは現在行っておりません。
3. お問い合わせはメールでお願いしております。
徹底的に「見える化」を追求することにより、効率化を図っているという印象を受けました。例えば、「神戸R不動産では、こだわりあるみなさんのご期待に最大限応えられるよう、魅力的な物件を少しでも多く探し集めることに全力を注いでいます。その代わり、お客様それぞれのご希望条件を伺って個別にお探しすることは行っておりません。」
さすがに、画面は見やすく工夫しています(添付図)。興味深いのは、物件ごとに『特徴』とした「タグ」を付けていることです。「海を見おろす」「眺望 GOOD」「異国/レトロ」「下町/商店街」「館/戸建」「ビル/一棟」「屋上/庭」「緑/水辺」「山際」「農村」「改装しよう!」「高架下/倉庫」「デザイン/リノベ」。また、物件説明文は、無味乾燥なデータではなく、まさに「取材記事」になっています。
(2) 家いちばん
https://www.ieichiba.com/
掲示板サイトで、いきなり「売ります」「買います」から始まります。ただし、「買います」をクリックしてもその情報はでてきません。「売ります」からスタートするようです。
こちらも個々の物件は、しっかり文章で表現し、無味乾燥ではありません。写真も豊富に使い「ビジュアルに見せる」を工夫しています。仕組みとしては、添付図「不動産取引をもっとシンプルに!」参照。
「いくらくらいで売ればいいの?」…そんなこと決まっていなくても大丈夫! ――― として、
•いつでも思いついた時に、気軽に物件の掲載ができます。•売り出し価格がまだ決まっていなくても、掲載できます。
•自分の不動産でなくても(親や親戚の所有でも)掲載できます。※本人の許可はとってください
•どんな場所でも、どんなに古くっても、大丈夫です。掲載の条件はありません。
•まだ中が片付いていない、すぐに売れる状態ではない、という状況でも掲載できます。
•まだ、売ろうと決めたわけではない、金額次第で売ってもよい、という方も歓迎です。
(3) すまいるネット
神戸市の「すまいるネット」で、「お持ちの空き家・空き地相談」の紹介があります。https://www.smilenet.kobe-sumai-machi.or.jp/vacant/
最近始めた「空き家・空き地地域利用バンク」については、
http://www.city.kobe.lg.jp/life/town/house/information/akiyaakichi-chiikiriyou.html
参照(最終更新日2018年10月1日)
空地の物件マッチングをしようとするとき、当然
① 売ります(貸します)
② 買います(借ります)
の両方の情報が必要なのでしょうが、ともかく①がないと始まりません。そのためには、売りたい(貸したい)人が、「ここに頼めばうまくいくのではないか」と思ってもらうことでしょう。
事業のスタートは、おそらく、売りたい(貸したい)人が「東京(神戸)R不動産」や「家いちばん」のサイトを見て申し込み、物件情報が充実してくる。次の段階で、買いたい(借りたい)人が名乗り出て、成立案件が増える。そこから好循環が始まるのでしょう。
インターネットに掲載されている「売ります(貸します)情報」は、基本的には買います(借ります)の人のためのものですが、実は、売ります(貸します)の人にいかにアピールするかも大切で、両者にとって「ビジュアル化」は、不可欠であるという印象を受けました。また、背景としてのビジネスモデルをどう構築するか。先行している会社は、様々な工夫を凝らしているようです。
私の住んでいる地域でも、空き家が確実に増えていくと思います。それが進行するとまちはさびれ、逆に有効利用としてもらうと活気がでてきます。
良い「空き地物件マッチング」が増え、空き地が宝になってくれることを期待します。
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