2019年1月28日月曜日

(K0638)  大坂の寺院、4月から。葬儀・供養も「福祉」 <葬式><地域の再構築>

 
 前回からの続きです。
 
 家族の力が弱まり、「家で葬式をあげる」ということをしなくなってきました。だからといって、それを「役所にやってもらおう」というのは、どんなものでしょうか。
 昔は、ご近所が葬式を助けてきた(今でも地方では?)と言われていますがも、そもそも葬儀をしようとしているのを助けていたもので、葬儀を放棄した人の葬儀を近所が代わりになってすることはないでしょう。

 お寺もまた依頼があって、お布施をいただいて葬式をあげます。そうしないと経済的になりたたないので当たり前のことだと思いますが、興味深い動きをしている寺があります。


 
===== 引用はじめ
 大阪市天王寺区の浄土宗大蓮寺(だいれんじ)と塔頭(たっちゅう)(*)の應典院(おうてんいん)が4月から、孤立した生活困窮者向けの葬儀を実費で始める。
 インターネットで資金を募るクラウドファンディングを活用し、専用のお堂と永代供養の合祀(ごうし)墓を整備。だれからも供養されない「無縁遺骨」の増加を背景に、葬儀の先にある埋葬や供養も「福祉」と位置づける。寺側は「お寺と市民が協力し合う新たな弔いの仕組みを模索したい」としている。
===== 引用おわり
(*) 少し話がそれますが、「塔頭(たっちゅう)は、禅宗寺院で、祖師や門徒高僧の死後その弟子が師の徳を慕い、大寺・名刹に寄り添って建てた塔(多くは祖師や高僧の墓塔)や庵などの小院。」(Wikipedia)。(浄土宗は禅宗ではないと思うが…)。話を戻します。


 このお寺、そもそもが「普通とは違う」動きをしているようです。


 
===== 引用はじめ
 大蓮寺は檀家(だんか)を持つ一般寺院だが、應典院は「葬式をしない寺」として、NPO法人や市民らとともに演劇などの文化事業に取り組んできた。いずれも秋田光彦さん(63)が住職を務めている。
===== 引用おわり
 
ホームページは、
https://www.outenin.com/
その「プロジェクト一覧」をのぞいてみたものを添付します。


 そこで始めようとしているのは、
 
===== 引用はじめ
 …
 これに危機感を抱いた秋田住職が、市民と協働する應典院のノウハウと大蓮寺の宗教活動を融合し、孤立する人々を対象とした葬送に取り組むことを決めた。
 構想では、大蓮寺の境内にある休憩所兼納骨室を改修し「ともいき堂」として整備。「ごえん葬」と名付ける生活困窮者向けの葬儀など、小規模な葬儀を行う専用のお堂とする。
 ごえん葬で寺側はお布施を受け取らず、必要になるのは永代供養をする合祀墓の冥加(みょうが)料5万円と火葬費用のみ。国籍や性別、宗旨は問わない。先に火葬し、遺骨が戻ってきた後に「骨(こつ)葬(そう)」という形で合同葬をあげ、合祀墓に入れる。合祀墓は堂内の納骨室を活用し、当面は遺骨を混ぜずに1柱ずつ保管する。
 一連の改修費用は2月からクラウドファンディングで募るほか、医療や介護、相続など終活に関係する専門家や事業者が連携し、共助として弔いを行う仕組みを目指すという。
 秋田住職は「死後の弔いが保証されていることで心の安定が図れ、よりよく生きることができる。制度からこぼれ落ちる人たちに向けた公益事業にしたい」と話している。
===== 引用おわり
 
 世の中には、様々な動きがあるようです。


<出典>
増える無縁遺骨 自治体は苦悩 / お布施なし、葬儀・供養も「福祉」
産経新聞(2019/01/27)
 
大阪の寺院、生活困窮者向けに葬儀 「無縁遺骨」増加を受け
https://www.sankei.com/west/news/190126/wst1901260035-n3.html

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