2019年3月30日土曜日

(K0699)  中高年ひきこもり61万人 <定年後>

 
 内閣府は29日、半年以上にわたり家族以外とほとんど交流せず、自宅にいる40~64歳の引きこもりの人が全国で61万3000人いるとの推計値を公表した。中高年対象の調査は初めて。男性が76・6%で、引きこもりのきっかけは退職が最も多い。期間は「7年以上」が合計で46・7%に上り、長期化・高齢化が裏付けられた。
 平成27年度の前回調査で推計した15~39歳の54万1000人を上回った。内閣府は「引きこもりは若者特有の現象ではない」として、全体で100万人超に達するとみている。


 以下は、私(藤波)の意見です。
 
 三つの点に注目した。

(1)  就職氷河期世代にあたる40~44歳の3人に1人は「20~24歳」で引きこもり状態になっており、就職活動がうまくいかなかったことが原因の可能性もある。単純計算すると、約20年間引きこもっていることになる

(2)  今回の調査で、誰が生計を立てているか尋ねたところ、自分と答えた人は29・8%にとどまり、父母(34・1%)や配偶者(17・0%)に依存している実態が明らかになった

(3)  「退職した男性」が大きな塊としてある。「男性が76・6%で、引きこもりのきっかけは退職が最も多い」
 

 「中高年のひきこもり問題」と大きくくくるとわりにくい。分けて考えるべきだろう。代表的な課題と対策を考えてみた。

(1)  40代】就職氷河期世代。早期にひきこもりになり、ひきこもりが長期化している。そこからいかに脱出するか

(2)  50代】3人に1人が高齢の親に依存している。福祉の現場では親が80代、本人が50代で生活が困窮する「8050問題」も指摘されている。経済的自立をどうするか

(3)  60代】ひきこもりの対極を目指す。定年後、いかに生き生きと過ごせるか。定年延長の傾向があるが、問題の先送りに過ぎない。また、男女雇用機会均等法世代の女性が、そろそろ定年年齢に達する。今までとは異なる課題がでてくるかもしれない。
 

 若年層のひきこもりとは、頭を切り替えて考えるべきだと思う。
 


<出典>
中高年ひきこもり61万人。若年層を上回る。
産経新聞(2019/03/29)(2019/03/30)
 
中高年ひきこもり61万人 若年層上回る
https://www.sankei.com/life/news/190329/lif1903290022-n1.html

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