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「健康のための運動といっても、身近な物や環境を生かした形でないと三日坊主になってしまう」。速足より階段の上り下りをお勧めする。「筋力維持・強化をしたい高齢者は1階分の上り下りを3分×2回」が目安
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【目次】
1. 身近な物や環境を生かした、健康のための運動
2.
足の筋力維持・強化
2.1. 調査2.2. 結果
2.3. お勧め
3.
血糖値の低下
3.1. 調査3.2. 結果
4.
善玉(HDL)コレステロールの増加
5.
お勧め
(1)
筋力維持・強化をしたい高齢者は1階分の上り下りを3分×2回、(2) 中年で血液データの改善を目指したい人は食後1時間くらい経過したころに2階分の上り下りを10分×2回を目標にするとよい
(3) 必ず手すりのある階段で行うことと、特に高齢者の場合、平地で5分程度足踏みするなど、ウオーミングアップしてから行ってほしい
【展開】
1. 身近な物や環境を生かした、健康のための運動
「健康のための運動といっても、身近な物や環境を生かした形でないと三日坊主になってしまう」との考えから、自転車をこぐことや階段の上り下りを利用できないかを調べている。
2. 足の筋力維持・強化
健康長寿を阻害する寝たきりになることを防ぐには、足の筋力維持・強化が重要。高齢者の日常生活にとって重要なのは、座った状態からの立ち上がりが楽にできるかどうかだ。
2.1. 調査
椅子からの立ち上がり▽平地歩行▽階段上り▽1段抜かしでの階段上り-の太ももの筋電図データを取り比較した。
2.2. 結果
椅子からの立ち上がりを1とした場合、平地歩行は0・4の負荷しかかからなかったのに対し、階段上りは1・3、1段抜かしでの階段上りは1・7の負荷がかかることが分かった。
2.3. お勧め
健康のため1日1万歩といわれているが、歩数が少し減ってもいいからアップダウンを取り入れてほしい3. 血糖値の低下
筋力維持・強化のみならず、階段の上り下りは食後の血糖値の急上昇を抑制するとともに早く下げさせ、脳梗塞(こうそく)や心筋梗塞につながる動脈硬化のリスクを減らすことも期待できる。
3.1. 調査
食事の直後に上昇した血糖値が下がる食後90分を起点に、何もせず座ったまま▽8分間の自転車こぎ(階段の上り下りと同じ心拍数になるペースで実施)▽階段の上り下り(21段×16往復=参加者平均で約8分間に相当)-の3つをそれぞれ別の日にしてもらい、起点の平均血糖値を「0」とした場合の下がり具合を調べた。
3.2. 結果
短時間で最も早く下がったのは階段の上り下りで、ほぼ同じ心拍数で行った自転車こぎよりも効果が高かった。筋肉だけでなく心拍数の面からも、平地での速歩よりも階段運動の方が負荷が高く、運動効果があるといえる。4. 善玉(HDL)コレステロールの増加
昨年から昨年にかけての階段の上り下りの研究で、動脈硬化を抑制する働きを持つ善玉(HDL)コレステロールが増える効果も見いだし、現在、論文化の作業を進めている。
5. お勧め
(1) 筋力維持・強化をしたい高齢者は1階分の上り下りを3分×2回、
(2) 中年で血液データの改善を目指したい人は食後1時間くらい経過したころに2階分の上り下りを10分×2回を目標にするとよい
(3) 必ず手すりのある階段で行うことと、特に高齢者の場合、平地で5分程度足踏みするなど、ウオーミングアップしてから行ってほしい
<出典>
速歩より階段の上り下り 筋力維持、動脈硬化も抑制
【100歳時代プロジェクト】 産経新聞(2020/02/20)
https://www.sankei.com/life/news/200220/lif2002200011-n1.html
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