2020年3月19日木曜日

(K1053)  介護難民が増える <高齢期の住まい>

 
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介護保険導入から20年。介護が必要な高齢者は増え、このままでは介護難民が増える。介護難民とは、介護が必要にもかかわらず、自宅でも病院でも介護施設でも、十分な介護を受けることができない高齢者らを指す
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 介護保険導入から4月で20年を迎え、介護サービスや施設が拡充されて制度が根付く一方、介護が必要な高齢者は増えている。

 
 このままでは介護難民が増えてしまう。介護難民とは、介護が必要にもかかわらず、自宅でも病院でも介護施設でも、十分な介護を受けることができない高齢者らを指す。
 
(事例1)金沢由美さん(仮名)の母親
   ひとまず独居で在宅介護を受けているが、認知症は確実に進行した
   母が金沢さんの自宅にも携帯にも数十回電話をかけ、金沢さんの大学3年生の一人娘(20)が精神的に不安定になった
   母を独りにさせないほうがよいことは分かっている。お金を出せばいくらでもサービスは受けられるが無理
   母は「家にいたい」と訴えたが、金沢さんが在宅介護を選択する余地はなかった。経済上の理由で、共働きをやめるわけにはいかないからだ
   会社には介護休暇制度があるが、取得すると白い目で見られ孤立する。怖くてとれない
 
(事例2)多田義明さん(91)
   長男(57)が家族を残して同居してくれているが、早朝から出勤し、帰宅は深夜だ
   半独居状態の中、ホームヘルパーや介護福祉士、親族、知人らが入れ代わり立ち代わり、介助をしている
   もう少し家にいたいが、早晩、病院に入らなければならないと、本人は思っている
   慢性閉塞性肺疾患。肺が炎症を起こし、呼吸がしにくくなる病気だ。病状は重篤
   酸素濃縮装置の酸素量の調整には医師の指導や管理が必要で、長期療養で受け入れ可能な施設は、ごく一部の病院などに限られる
 
<出典>
住宅課か施設か。選択の余地はない
【どうする福祉 縮む日本の処方箋 第2部 医療×介護(1)】産経新聞(2020/03/19)


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