2020年3月22日日曜日

(K1057)  移住の必要性は低いが価値観の転換が必要 <高齢者の住まい>

 
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今の高齢者には食事介助やおむつ交換されてまで生きたくないという人が多い。施設にいるのは死ぬときの短期間という形になるだろう。「寝たきりになって生かす」ではなく「生活できる期間を延ばす」に変わるべきだ
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(1)  首都圏でとくに懸念される「介護難民」
(2)  移住の必要性は低いが価値観の転換が必要
(3)  寝たきりではなく生活できる期間を延ばす
 
【展開】

(1)  首都圏でとくに懸念される「介護難民」
 「日本創生会議」は平成276月に「東京圏高齢化危機回避戦略」と題した政策提言を行った。
 2025年には、全国で約43万人が介護難民となり、東京圏だけで約13万人に上ると試算した。
 対策として、東京圏は土地の制約があることから、「東京圏の高齢者の地方への移住」を提言した。
 
(2)  移住の必要性は低いが価値観の転換が必要
 東京都杉並区と静岡県南伊豆町は、共同で特別養護老人ホームを開設した。
 東京都豊島区は、埼玉県秩父市と千葉県富津市が候補地として浮上したが、立ち消えとなった。担当者は「人口は減るので都市部に土地がないということはない。少子化で子供の施設も不要になるだろう」と地方移住の必要性を感じていない。
 国際医療福祉大学大学院の高橋泰教授は、「今のまま価値観の転換がなければ施設は足りなくなる」と分析する。
 
(3)  寝たきりではなく生活できる期間を延ばす
 今の高齢者には食事介助やおむつ交換されてまで生きたくないという人が多い。家族はそれを認めないが、団塊の世代はそれを振り切るパワーがある。1人で生活できなくなったら、施設にいるのは死ぬときの短期間という形になるだろう。「寝たきりになって生かす」ではなく「生活できる期間を延ばす」という方向に変わるべきだ。
 
<出典>
住宅課か施設か。選択の余地はない
【どうする福祉 縮む日本の処方箋 第2部 医療×介護(1)】産経新聞(2020/03/19)

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