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尊厳死という言葉は、本来、死に至るまで尊厳をもって生きようということなのに、延命治療に限られてしまっているように感じる。死に方ではなく生き方なのではないか。大好きだと言われる生き方も一つの答え
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積極的治療を目的に入院したものの、もう体の状態が治療できるものではなく、そのまま帰宅することになったときのこと。 … 病院のスタッフが「このままご入院されても大丈夫ですよ」と声をかけられたそうですが、それを断っての自宅療養となりました。
「もう治療はできないんですよね。なぜ入院を勧めるのでしょう?」とご家族は自宅に戻ってから私に問いかけられました。
「多分ですけど、私もそうですなんですが。お医者さんも看護師さんも、みんなこの方が好きなんだと思います。大好きだから何かしてあげたいって思っているのではないでしょうか。だから『入院する?』って…。しんどくても明るくて穏やかで優しい方だからこそなんじゃないでしょうか」といいました。ご家族は涙ぐまれ、私も涙をこらえ、聞いておられたご本人もそっと涙を流されていました。
続く
<出典>
尾崎容子、「大好きだから何かしてあげたい」
【在宅善哉】 産経新聞(2020/08/22)
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