2020年9月14日月曜日

(K1233)  「フラッシュソングセラピー」(2) / 音楽療法 <認知症>



☆☆
脳の中に発症前から音楽が詰まっているのが治療の前提だという。その点、日本は音楽文化や教育が充実しており「童謡や唱歌、歌謡曲、演歌、テレビの主題歌など、あらゆるジャンルの音楽で満ちている」という
☆☆

 「今日も暑いですね。海で泳ぐのは上手ですか」。音楽療法士の飯塚三枝子さんはそうあいさつした後、唱歌「われは海の子」の前奏を弾き始めた。グランドピアノの前に並んで座っていた元会社員の安達春雄さん(68)は伴奏に合わせて歌いだす。20分ほどの間に「花嫁」「あの鐘を鳴らすのはあなた」など、12曲を歌い上げた。
 「あっという間です。考え事も忘れるから、すかっとする。毎日でも来たい」と安達さん。見た目は健康そうな壮年男性だが、妻の奈々子さんによると、3年前にアルツハイマー病と診断された。一時はカラオケで歌詞を追えず、全く歌えなくなったという。音楽療法を続けるうちに、タブレット端末に表示される歌詞を見ながら、滑らかに歌えるようになった。

 飯塚さんは「音楽がいかに人を元気づけ、身体反応を引き出すか、日々実感している」と話す。ただし、脳の中に発症前から音楽が詰まっているのが治療の前提だという。その点、日本は音楽文化や教育が充実しており「童謡や唱歌、歌謡曲、演歌、テレビの主題歌など、あらゆるジャンルの音楽で満ちている」という。飯塚さんは患者の年代に応じて流行した曲を調べ、施術時に反応を確かめながら曲目を選ぶ。
 同センターで10年以上、音楽療法に携わった尼崎だいもつ病院の中村道三脳神経内科部長は「音楽は記憶や感情と直結している。歌うことで自分の歩みを思い出し、自信を取り戻し、不安から逃れて幸福感につながる。家族にとっても、介護のやりがいにつながる」と話す。

<出典>
懐かしい歌 認知症明るく
産経新聞(2020/09/07)
音楽療法で認知症改善の効果 人生に根差した曲、身体反応引き出す



0 件のコメント:

コメントを投稿