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「看取り犬」。そしていよいよ最期を迎える際は、ベッドに上がって別れを惜しむように顔をなめ、職員が声をかけても離れようとしなかった。ユニットで暮らす高齢者が最期を迎えるたび、文福は同じ行動を繰り返した
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そんな文福の不思議な行動に職員が気づいたのは、ホームに来て2年目のことだった。2階のユニット長、出田恵子さん(50)はある日、1つの居室の前で文福がうなだれて座っているのに気づいた。翌日になると、職員の後ろから居室に入っていき、入居者が横たわるベッドの脇へ。そしていよいよ最期を迎える際は、ベッドに上がって別れを惜しむように顔をなめ、職員が声をかけても離れようとしなかった。ユニットで暮らす高齢者が最期を迎えるたび、文福は同じ行動を繰り返した。
「私の考えですが、おそらくはにおいで、入居者さんの最期が近いことが分かるのではないでしょうか。だから他の犬にも分かるはずですが、寄り添うのは文福だけ。文福の性格というか、意思なのでしょう」と若山施設長は言う。
さくらの里山科の2階フロア(計40室)は、犬か猫と暮らすことができる。ペットと一緒に入居する人や、自分で飼ってはいなくても、犬や猫と暮らしたい人だけのフロアだ。4ユニットに分かれており、現在は、2つに計10匹の犬、もう2つに計9匹の猫がいる。多くは飼い主とともに来たペットで、一部は動物愛護団体を通じて引き取られた保護犬や保護猫だという。
神奈川県横須賀市 さくらの里山科特別養護老人ホーム
http://sakura2000.jp/publics/index/34/
※ 写真が、たくさんあります。
エピソードを若山施設長が書籍にまとめ、今年「看取り犬・文福 人の命に寄り添う奇跡のペット物語」(宝島社)として再刊された。
<出典>
最期に寄り添う「看取り犬」の奇跡 ペットと暮らせる特養
【ゆうゆうLife】 産経新聞(2020/09/25)
https://www.sankei.com/life/news/200925/lif2009250005-n1.html
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