2021年5月13日木曜日

(K1474)  老いを楽しむ心のゆとり / 「老人力」(3) <仕上期>

  偶然だが、産経新聞のビブリオエッセーで「老人力」が紹介されました。

 

 23年前に出版された赤瀬川原平さんの『老人力』。当時の流行語にもなった。本の紹介文によると老人力とは「物忘れ、繰り言、ため息等、従来ぼけ、ヨイヨイ、耄碌として忌避されてきた現象に潜むとされる未知の力」である。私たち夫婦も85歳を過ぎたいま、この力がみなぎってきた幸せを実感している。

  老化という失礼な言葉ではなく、例えばため息にも意欲を感じ、若さゆえの自意識過剰からも抜け出して加齢のすべてを前向きなエネルギーとしてとらえた造語だ。情報過多な若い世代に対して老人は「宵越しの情報はもたない」と考える。物忘れではなく忘却力なのだ。当時の私はまだ60代。その奥深さを知らなかった。

 

 右腕が肩より上がらなくなった時、… 悠々力とでもいおうか。

 メトロではいつもどなたかが席を譲ってくださる。 … 親切を引き寄せる力だ。

 テレビドラマでは小声で早口のセリフが聞き取れず … やたらに多くの煩わしい情報の入力を無意識に遮断する力だと思えばいい。

 

 前回は、

(K1466) 「老人力がついてきた」 / 「老人力」(2) <仕上期

http://kagayakiken.blogspot.com/2021/05/k14662.html

 

<出典>

大阪市旭区 松岡茂雄 85

老いを楽しむ心のゆとり 「老人力」赤瀬川原平(ちくま文庫)

【ビブリオエッセー】 産経新聞(2021/05/12 )

https://www.sankei.com/life/news/210512/lif2105120015-n1.html



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