★ プロ野球 の世界でも老人力が必要だ。 力を抜く というのは、 力をつける よりも難しいのだ。力をつけるのだったら何も考えずに トレーニングの足し算 だけで、誰でも力はつく。問題はその 力を発揮する とき、 足し算 以外に、 引き算 がいるんだけど、これが難しい
たとえばプロ野球の世界で老人力が必要とされている事実は、あまり知られていない。
一見強そうな選手でも、老人力に欠けているのはなかなか一軍へ上がれない。若者に老人力などあるものか、と思われるかもしれないが、じつはあるのである。本人も気がつかない形で、じつは体内で老人力は生きている。
力を抜くには技くには抜く力がいるもので、老人になれば自然に老入力がついて力が抜ける。でも若い間は自然には力が抜けない。意識して力を抜く、つまり意識して老人力を先取りする必要があるわけである。
二死満塁の場面、場内がいっせいに盛り上がったところで監督が出てきて、バッターを呼び寄せて耳許で伺か言うのは、あれはじつは、
(老人力で行け)
と言っているのだ。
老人力をばかにしてはいけない。力を抜くというのは、力をつけるよりも難しいのだ。力をつけるのだったら何も考えずにトレーニングの足し算だけで、誰でも力はつく。問題はその力を発揮するとき、足し算以外に、引き算がいるんだけど、これが難しい。
前回は、
(K1474) 老いを楽しむ心のゆとり / 「老人力」(3) <仕上期>
http://kagayakiken.blogspot.com/2021/05/k1474-3.html
<出典>
赤瀬川原平、「老人力」、筑摩書房、P.21 ~ P.23
0 件のコメント:
コメントを投稿