2021年8月17日火曜日

(K1570) かっこよく年はとれたか 吉本由美 (文筆業)

 【吉本由美・ イン・マイ・ライフ 】 半分隠居の心構えで家や庭や猫や仕事や新しい人間関係の構築やらをじっくり考える熊本暮らし。書き下ろしだったので、夢半ばで破れ実家で再出発する複雑な気持ちのあれこれも書き込めた


 「かっこよく年をとる」というのは、魅力的な言葉だ。それは、若い時から計画してできるものではない。何故なら、若い時には年を取ってからのことをイメージできないので。だから、準備ができていなくてもよい。年を取った今の私が、かっこよく年を取りたいと志をいだき、できるところから実行していけばよいのだ(藤波 記)。

 

 創刊間もない『アンアン』『クロワッサン』などの女性誌を舞台に雑貨・インテリアを扱うスタイリスト兼ライターとして活躍後、執筆活動に専念している吉本由美さんが書いた2冊の本の対比が興味深い。

  48歳のとき、『かっこよく年をとりたい』(筑摩書房)

  73歳のいま、『イン・マイ・ライフ』(亜紀書房)

 

 「そして今、完璧に老人の一人となっての一冊である。後半の熊本暮らしを書きながら、25年前の〝夢見る老後〟と現実との違いをヒシと感じた。そううまく問屋は卸してくれないことが分かった。73歳になって出したこの本、偶然だけど『かっこよく年をとりたい』のアンサー・ブックの形になった。」

 

===== 引用はじめ

 私は若い頃から〝老後の暮らし〟に興味があり、平成8年、48歳のとき『かっこよく年をとりたい』(筑摩書房)という本を出した。興味深い年の重ね方、暮らし方をされている先達(せんだつ)何人かの方々にお話を聞き、老後ファッション、年を取ってやりたいこと、年を取ったら注意すべきこと、暮らし方、介護や施設のあれこれなどをまとめて、自分の向かうべき老人スタイルを追求した。しかしそれはまだ老人ではないときの考えだった。

===== 引用おわり

 

===== 引用はじめ

 7月に10年ぶりに出した本『イン・マイ・ライフ』(亜紀書房)にその長い年月を綴(つづ)ってみた。前半は子供時代から18歳で上京し44年続いた東京暮らしを、後半は62歳でUターンし再び始めた熊本暮らしを、という〝動と静〟の2部構成だ。

===== 引用おわり

 

<出典>

かっこよく年はとれたか 吉本由美(文筆業)

【新・仕事の周辺】 産経新聞(2021/08/08)

https://www.sankei.com/article/20210808-ABMB57X25VPLVM5QMGI5XH3CAM/2/



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