【 自宅 ・ 看取り 】 孫たちのひざの上に頭を置いて、順に抱きしめられ、「じいじ」と呼び掛けられながら、息を引き取った。笑みも浮かべていた穏やかな様子に、妻の雅子さん(65)は「じいじは、これを求めていたんだね」と話した
今年1月、廣川利夫さん=当時(74)=は末期の肝臓がんで、名古屋市内の病院に入院した。2月3日夜、家族が筆談すると、弱い筆圧で「帰る」という文字が読み取れたという。翌4日午後には危篤状態に。急遽(きゅうきょ)家族は、酸素ボンベや人工呼吸器などの資機材をそろえ運搬用の介護タクシーを手配し、午後4時半ごろに自宅に到着した。
6人の孫がいた廣川さん。内堀さんの指導で、孫たちのひざの上に頭を置いて、順に抱きしめられ、午後6時すぎ、「じいじ」と呼び掛けられながら、息を引き取った。笑みも浮かべていた穏やかな様子に、妻の雅子さん(65)は「じいじは、これを求めていたんだね」と話した。
その後、看取り士の白瀧貴美子さん(56)も到着。孫を含めた親族たちはゆっくり午後9時まで声をかけるなどし続けたという。
看取りの経験は、孫たちにも大きな影響を与えたと雅子さんは考える。その後、廣川さんの髪の毛を家の中で見つけた孫が「大切にしなくちゃ」と袋に入れて大事にしている。「子だと怖がるもの。看取りをしたことで、死んだ人を恐れることがなくなったのだと思う。いい経験をさせてもらった」と話している。
<出典>
穏やかな別れ手助け 「最期は自宅で…」家族が叶える願い
産経新聞(2021/09/03)
「家に連れて帰りたい」 コロナ禍で在宅での看取りに注目
https://www.sankei.com/article/20210902-5WYJNUV5AFPBLLJQF3PCOOHQT4/
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