【 読書 ・ 老人力 】高齢者事業団。何だか凄く恰好よかった。働きっぷりが恰好いい。いわゆる労働とはまた違う恰好のよさだ。働いてはいるけど、それが収入のためではない。趣味の働き。とこちらがいってしまってはまずいだろう
会社を定年退職して雇用延長で働くと、仕事は以前と同じなのに、給料は以前より半分以下になることもあるそうだ。
それなら、いっそうのこと、給料はさらに安くなるけれど、全然別のことをするほうが、すっきりするかもしれない。
雇用延長では、「周囲はオレより随分質の悪い仕事をしているのに、のうのうと高級を食んでいる」。高齢者事業団だと同じような人たちだ。
===== 引用はじめ
高齢者事業団というのがあって草むしりをしてくれるという。
それにしても高齢者事業団の働きは大変なものだった。自分たちがあんなに苦労した仕事を、淀みなく綺麗に片付けていく。ほとんど苦労を感じさせない。しかも手間賃がえらい安かった。自分たちが大変だと思った作業だからよけい安く感じたのかもしれないが、それでいいんですかと訊いたほどだ。
何だか凄く恰好よかった。働きっぷりが恰好いい。いわゆる労働とはまた違う恰好のよさだ。働いてはいるけど、それが収入のためではない。趣味の働き。
とこちらがいってしまってはまずいだろう。高齢者とはいえ、やはり収入が要るので働巧いている、ということもあるに違いない。むしろそうじゃないと世の中的にはまずい。
===== 引用おわり
前回は、
(K1600) 趣味に走る最近の若者。なぜ? / 「 老人力 」(21)
http://kagayakiken.blogspot.com/2021/09/K1600.html
<出典>
赤瀬川原平、「老人力」、筑摩書房、P.120 ~ 121
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