2018年6月3日日曜日

(K0399)  将来の認知症に備える(10) 後見と民事信託の関係(1) <脳の健康><後見と電話相談>

 
【目次】

1.   市民後見と民事信託との組み合わせはない

2.   任意後見と民事信託との組み合わせはある

 

【展開】
 
1.   市民後見と民事信託との組み合わせはない

 市民後見人は、既に認知症になっている、資産の少ない人を対象にする。
資産が多い場合は、専門職後見人が就く。
 民事信託は、認知症になってからは契約できない。資産の多い人を対象とする。
資産が少ない場合は、民事信託のメリットがない。
 
 だから「市民後見」にしようか「民事信託」にしようか、迷うことはない。
 


2.   任意後見と民事信託との組み合わせはある

 まだ認知症になっていない段階で、①「任意後見」のみにしようか、②「民事信託」のみにしようか、③両方にしようか、④どちらもしないでおこうか、迷う余地がある(考えて、認知症になる前に決めておくのが良い)

 なお、不動産資産が無く、総資産が少ない場合は、そもそも民事信託を考えなくてもよい。認知症になっても、不動産資産を有効に活用したいとか、もっている資産を自分だけではなく他の人のために使ったり、特定の人に継承したりしたい場合に、民事信託が役立つ。
 



   「任意後見」のみにしようか

 任意後見のみでは、不動産資産を有効活用できない。また、自分の財産を自分のため以外には使えない。要注意。相続については、遺言で指定できる(次の次まで指定したいならば民事信託を活用すること)
 

   「民事信託」のみにしようか

 後見制度には「財産管理」と「身上監護」があるが、「民事信託」には「身上監護」の機能がない。要注意
 

    両方にしようか

 まず、民事信託で対象資産を指定し、残りの資産が後見の対象になる。後見の対象とするのは、自分の為に使う現金・預貯金。民事信託の対象にするのは、不動産資産と他の人のために使いたい預貯金。民事信託の受託人と後見人との協力が必須だろう。詳しくは、専門家に相談すること
 

    どちらもしないでおこうか

 そのまま認知症になると、法定後見人しか選択肢がなくなる。要注意
 

※ 実施においては、必ず専門家に相談してください。



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