2018年6月19日火曜日

(K0415) 「世界一孤独な日本のオジサン」(5) <社会的健康>

 
 前回からの続き。「世界一孤独な日本のオジサン」の著者 岡本純子の解説。「文春オンライン」より(第4回)。
 

【目次】

(1)   孤独な人は、早死リスクが50%高くなる
(2)   日本は世界に冠たる孤独大国になりつつある
(3)  「孤独に耐えろ」は「水を飲まずに我慢しろ」と同じくらい残酷
   ポジティブな意味合いの「Solitude」、ネガティブな「Loneliness
   人間は本来、「社会的動物」だ
(4)   日本は「ソーシャル・キャピタル」が先進国最低の101

(5)  「仕事が、生きがいなわけではない」。そう思っていても
 


【展開】(5)
 
(5)  「仕事が、生きがいなわけではない」。そう思っていても
 
   「友人や同僚もしくはほかの人々と時間を過ごすことのない人」の割合は日本の男性が16.7%と21カ国の男性中、最も高かった。

    職場を失い、「透明人間」になってしまった「不機嫌なオジサン」

   「男性の孤独」の裏にある「男のプライド」。「コミュ力偏差値」
 

【再展開】

   「友人や同僚もしくはほかの人々と時間を過ごすことのない人」の割合は日本の男性が16.7%と21カ国の男性中、最も高かった。

 今や就業人口の約9割が「サラリーマン」。長時間労働の中で、友人や趣味などを作る暇もなく、汗水たらして働き、気がつくと退職の日を迎えるという人も少なくない。
 

   職場を失い、「透明人間」になってしまった「不機嫌なオジサン」

===== 引用はじめ
 「仕事が、生きがいなわけではない」。そう思っていても、やりがいや仲間、居場所を提供してくれていた職場を失い、「認められない」「必要とされていない」といった思いにとらわれる。まるで、自分が「透明人間」になってしまったような寂しさと満たされぬ承認欲求を抱えた「不機嫌なオジサン」が増えていく。都内の精神科医は「サラリーマン男性の場合、退職して、肩書きを失うと、何者でもなくなってしまう。家庭内でも外のコミュニティでも居場所が見出せず、気がつけば趣味もなく、被害者的になり、何でも他人のせいにするような歪んだ精神構造になる」と指摘する。
===== 引用おわり
 

   「男性の孤独」の裏にある「男のプライド」。「コミュ力偏差値」

===== 引用はじめ
 もう一つ、「男性の孤独」の裏にあるのが、「男のプライド」という厄介な代物だ。特に、終身雇用、年功序列制度という「タテ社会」の中で、上意下達の「ポジショントーク」を40年間続けると、フラットな立ち位置で胸襟を開いたコミュニケーションがなかなかできなくなってくる。話すこと自体を目的とし、地球が滅びるまで面と向かって営々と話し続けることができる女性と、コミュニケーションは目的を達成するための手段であり、スポーツやゲーム、お酒など、何らかの介在がないと話しづらい男性とでは、「コミュ力偏差値」に差が出やすい。
===== 引用おわり
 
 

 私の意見

 定年退職を迎えた人には、二つの課題が待ち受けている。

(1) 集団から距離を得られたので、新たに「Solitude」(個人が能動的・自発的に一人を楽しむこと)を追い求める

(2) 職場という集団を失ったので、自分を安定させ、支えてくれる新たな人間関係を築く
 

 「定年退職になって暇になった」というのは、とんでもない話だ。定年退職になってからが、とても忙しいのだ。
 



<出典>
岡本 純子、 http://bunshun.jp/search/author/%E5%B2%A1%E6%9C%AC%20%E7%B4%94%E5%AD%90
なぜ日本のおじさんは「世界一孤独」なのか?
~ 『世界一孤独な日本のオジサン』著者が示す衝撃的データ
http://bunshun.jp/articles/-/6460


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