かつて「自分を赦すのと相手を赦すのは対になっている」と私は発見しました。自分を赦せないと相手を赦せず、相手を赦せないと自分を赦せない。自分を赦せると相手を赦せるようになり、相手を赦すと自分を赦せるようになる。
回答者も「自分が自分を赦せば、いやな相手への怒りは消え失せる」と書いてあるが、同時に「相手を赦すなど、考えるのは無用」とも書いています。大切なのは「おのれのこころのしこりを自分でいたわり、ほぐしてやる」ことだと説いています。
<相談内容>
15年前、姑の介護をめぐり義理の妹と大げんかをし、ほぼ絶縁状態です。今も時々、黒い気持ちがこみあげて苦しいです。…
ある日「長男なのに面倒見るのが嫌で遠くに住んだんだろう」(*)などとひどいことを言われ、姑の前で大げんかに。 …
… 今も義弟夫婦が受け入れられず心が波立ちます。この気持ちから解放されたいです。
(大阪府内、50代、主婦)
(*) 往復5時間かけて週3回姑のもとに通っていた
<回答内容>
すべてを赦して、自分のこころのしこりをほぐすこと。これが特効薬だ。…
恨みや怒りは、生きていくうえで強力な杖となる。あいつだけは許せないと黒い怒りを募らせれば、杖は堅牢さを増して、生きる助けともなる。
しかし杖が太った分、自分のこころの清浄な部分は痩せてしまう。
相手を赦すなど、考えるのは無用。
おのれのこころのしこりを自分でいたわり、ほぐしてやればいい。
自分が自分を赦せば、いやな相手への怒りは消え失せる。
姑の介護に尽くしたのを知っているのは、あなた自身だ。もうここで、ご自分を解きほぐしていただきたい。
<出典>
昔、介護で仲違い、今も苦しい【山本一力の人生相談】 産経新聞(2018/11/05)
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