2018年11月15日木曜日

(K0564)  介護のイメージアップ/上条百里奈さん (1) <介護>

 
 上条百里奈さん(介護福祉士・モデル)の記事を読んでいると、介護のイメージがどんどん良くなっていきます。
 
===== 引用はじめ
 上条 今も昔も介護の仕事は素晴らしいと思っています。人生のクライマックス、小説や映画で言えば「大トリ」をどれだけ幸せにできるかは、介護に一番チャンスがあるのではないでしょうか。すごくお得が詰まっている職種だと思います。
 
 鎌田 疲れるでしょう。
 
 上条 めちゃくちゃ疲れます。でも、今、特養(特別養護老人ホーム)で働いていますが、ピンクのスニーカーを履いて歩くと、認知症のおばあちゃんたちが「その靴、かわいいね」とほめてくれるんです。前を通るたびに言ってくれます。100%のほめ言葉を1日に何十回ももらえるので、私もうれしくなり、疲れも和らぎます。
 
 鎌田 介護をすることで、逆にもらうものがあるんですよね。障害のある人にプラスのはずなのに、介護をするあなたにとってもプラスになる。
 
 上条 そうなんです。たくさんあります。初めて看取みとりをした後、悲しみに耐えきれず、違う部屋のおばあちゃんの横で2時間泣きました。その時、おばあちゃんは唯一動く左手で、ずっと頭をなでてくれたんです。
 
 鎌田 それはいい話だなあ。
 
 上条 おばあちゃんとのあの時間がなかったら、介護をやめていたかもしれません。一番支えてくれたのが、寝たきりのおばあちゃんでした。
 
 鎌田 そのおばあちゃんも幸せだったと思う。介護される側だったのに、あなたの役に立てたから。
===== 引用おわり
 

 ともかくポジティブ。無理して作った「ポジティブ」ではなく、ごく自然に「ポジティブ」なのです。
 


鎌田實(かまた・みのる)
 医師、作家。1948年、東京都生まれ。東京医科歯科大を卒業後、長野県の諏訪中央病院に赴任。地域医療や在宅ケアに尽力。88年に院長、2005年から名誉院長。17年から都内のまちだ丘の上病院の名誉院長も兼務。ベストセラー「がんばらない」など著書多数
 
上条百里奈(かみじょう・ゆりな)
 介護福祉士、モデル。1989年、長野県生まれ。短大を卒業後、2010年、県内の介護老人保健施設に就職。11年、モデル活動を開始。13年から都内の特別養護老人ホームに勤務、訪問介護も担当。テレビ出演や雑誌、ブログなどを通じて、介護の魅力を発信中
 


<出典>
超高齢社会、意識改革で「支え合う関係」に…鎌田實さん、上条百里奈さん対談
https://yomidr.yomiuri.co.jp/network/20180919-OYTEW291364/

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