2018年11月14日水曜日

(K0562)  日本人の死生観/自然親和的 <臨死期>

 
 「伝統的な日本人の意識や死生観において、輪廻転生、あるいは自然現象や生命の反復的な連なりが、むしろ肯定的なものとしてとらえられている」(広井良典『死生観を問い直す』2001
 
 輪廻転生を望んでいるとは言えないが、自然(宇宙)の一部となって生き続けるという感覚の人は多い => 自然(宇宙)への回帰 => 新帰元
 
 ここで「新帰元」とは、
===== 引用はじめ
 それは、曹洞宗の葬儀でした、お通夜の時ご住職のご法話で戒名の説明があり、故人様のご生涯やお人柄などが話され、この戒名をお付けになった理由が説かれます
 ご遺族の方から「戒名の上にある、新帰元(しんきげん)とは何でしょうか?これも戒名なのですか?」というご質問がありました
 ご住職曰く、「これは、字のごとく、新しく元に帰るという意味で戒名ではありません」
 その意味は「人間は亡くなったら、何処に行くのでしょうか?元の来たところに帰るのです、どこか知らない処に行くのではなく元の世界に帰っていくのですよ」ととてもやさしく説かれます
===== 引用おわり
https://nishida222.exblog.jp/15464268/
 

 「『宇宙』のなかへ入っていき、そこにしばらくとどまり、次第に溶けながら消えてゆく(加藤周一『日本人の死生観』1977
 
 「自己と自然あるいは宇宙との連続性ないし一体性の感覚であり、死ということも、むしろそこへの回帰」(広井良典『死生観を問い直す』2001
 
 日本は比較的恵まれた自然環境ということもあり、「自然」に対する親和性が非常に強い民族と言われている。
 

<出典>
【講演】西岡 秀爾、「日本人の死生観」、神戸つむぎの会(2018/10/20)

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