2018年12月4日火曜日

(K0582)  音楽療法(佐藤由美子さん) <臨死期>

 
 佐藤由美子さんの講演(「ラスト・ソング」人生の最期に聴く音楽)を聴きました。講演とは、少し違いますが、近いものとして、次の画像がありました。
https://www.youtube.com/watch?v=QYZg3MZJWhc
 


 キーワードは、「音楽の力」「音楽は人と人をつなぐ」。音楽療法については知識として知っていたし、集団で参加したこともありますが、やはり、映像の伝える力は、強いです。そのことをブログで伝えるのは難しいかと思っていましたが、youtubeで映像が公表されていました。
 
(*1)
https://www.youtube.com/watch?v=HO74NN-Y0Ks&t=0s&index=2&list=PLdkPs3DSr5kD7SI3rbjlpFV6LZyFTnOUi
(↑最初に広告があり、148秒後から始まります。途中にも広告があります)

(*2)
https://www.youtube.com/watch?v=SYSRsLO8SdM&index=12&list=PLdkPs3DSr5kD7SI3rbjlpFV6LZyFTnOUi&t=0s
 
 音楽療法は、症状の治療ではなく、全人的ケア(ホリスティックケア / Holistic Care)です。食欲を無くし寝たきりになった末期のがん患者が食べられるようになって退院した例がありました(*1)

 
 「もう大丈夫、いつ逝ってもいいよ」と親を見送られた息子、(認知症で「何が何だか分からない」)母が無理だと思われながらも「ふるさと」の二番も歌い、それを喜ぶ息子、意思疎通ができなかった父に音楽を届けられた娘(*2)。音楽療法は、本人のためだけではなく、家族のためにもなることが分かりました。
 


 佐藤由美子さんの生の歌は、優しく、それ自体で聴いている私は癒されました。でも、歌で癒されるといった受け身は、音楽療法の本質ではないようです。
 
 「癒し(Healing)と言いう言葉は、どうしても受け身なニュアンスで捉えられている」が、そうではない、「患者さんを癒すことができるのは、本人だけなんです」、「そして、その人がもともと持っている力を引き出すことを、エンパワーメント(Empowerment)という言葉で表現します」。
http://www.webasta.jp/serial/interview/post-330.php
 
 「なぜ自分だけが生き残ったのだろう」という疑問に対する答え、自分が生き残った意義を自ら見出して(”victim”ではなく”survivor”)、食べられるようになり、退院した例もありました。
 

【プロフィール】佐藤由美子
 ホスピス緩和ケアの音楽療法を専門とする米国認定音楽療法士。バージニア州立ラッドフォード大学大学院音楽科を卒業後、オハイオ州のホスピスで10年間音楽療法を実践。2013年に帰国し、国内の緩和ケア病棟や在宅医療の現場で音楽療法を実践。著書に『ラスト・ソング~人生の最期に聴く音楽』『死に逝く人は何を想うのか』。
 
 
<出典>
佐藤由美子(セラピス専門の音楽療法士)、特別講演(+演奏) 「ラスト・ソング」人生の最期に聴く音楽、第13回生と死を考える市民講座「いのちの物語をつむいで」(NPO法人愛逢 主催)、園田地区会館、2018/11/18

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