2018年12月15日土曜日

(K0591)  死を見つめる心(2) 死に直面して初めて、自分の生き方を問われた <臨死期>

 
 28歳のとき、急性多発性根神経炎を患った。
 
===== 引用はじめ
 何とか電車で帰宅し、その後すぐに救急病院に入院しました。指は1本も動かず、瞬きもできない状態でした。でも耳は聞こえるし、認識もできる。いわゆる意識障害はないんです。 … 「私は死ぬんだな」と思いました。カーテンの向こうで家族が泣いているのが見えました。
===== 引用おわり


 仕事は自分の支えにならなかった。
 
===== 引用はじめ
 最初に思ったのは「私の人生は何だったんだろう」ということでした。記者の仕事は本当に楽しくやりがいがありました。でも病気になったとき、仕事は自分の支えにならなかった。これは本当に衝撃でした。
 自分は満足して生きている、自分のことは自分が一番知っていると思っていました。でも、本当の自分なんて、本当に知らなかった。
===== 引用おわり
 

 死に直面して初めて、自分の生き方を問われた
 
===== 引用はじめ
 59年間生きてきた今も、このとき以上の衝撃はありません。「私は本当に人のために何かしたのかな」と疑問に思いました。
 「仕事は大切」などといいながら、結局は自己満足だったのではないか、と。死に直面して初めて、自分の生き方を問われたのです。
===== 引用おわり
 


<出典>
藤井美和(関西学院大教授)、「私の人生は何なのか」難病で突きつけられ
【死を見つめる心(2)】 産経新聞(2018/12/04 夕刊)

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