2019年5月4日土曜日

(K0734) 「夢や目標を持つ老人」になるために <心の健康>

 
 石蔵文信さんの記事を読み、自分の考えをまとめてみました。


 「若者は夢や目標を持つ」が、「老人は夢も目標も持たない」と思われがちだか、それは違いそうだ。「夢も目標も持たない若者」も「夢や目標を持つ老人」も、たくさんいる。
 

 何故、「老人は夢も目標も持たない」と思われがちなのか

  残り時間か少ない
 残り時間の長さは、時計の針が決めるものではない。1年でも、1月でも、1日でも、1時間でも、過ごしようによっては十分長くなる。逆に10年あっても、あっというまに終わってしまう。

  残された体力が衰える
 夢や目標は、体力に応じてどのようにでも設定できる。老人が若者と同じことをする必要はない。
 残り時間や、残された体力が関係しないなら、「若者はどうで、老人はどうだ」という言い方はできないだろう。それでは、夢や目標を持つために、どのように心がければよいか。特に、老人を対象とすると、六つあると思う。

(1)  新しいことに挑戦する意欲を持つ



(2)  若者と張り合わない

(3)  自らの年寄り意識を捨てる。能力に合わせようとしない

(4)  割り切る。言い訳をしない

(5)  孤立しない

(6)  トータルの一部としての意識、託するという意識を持つ
 

【展開】
 
(1)  新しいことに挑戦する意欲を持つ

 若い時でも、体調が悪いと夢も希望も薄れてしまう。気力は体力に影響されるが、体力だけで気力が決まってしまうのではない。挑戦する意欲を維持できるかどうか。以下に示す(2)(6)の壁を乗り越えることが、気力向上につながると思う。
 

(2)  若者と張り合わない

===== 引用はじめ
 年寄扱いされるのを嫌うくせに、「スマホはもう年だから無理!」という言い訳は矛盾しているように思います。
 若い人からゆっくりと説明を聞けば使いこなせるはずですが、「恥ずかしい」とか「馬鹿にされるのではないか?」と考えるとせっかくのチャンスも失ってしまいます。
===== 引用おわり

 「老人も若者と同じ早さでなければならない」という思い込みがあるのではないか。仕事では早く処理しなければならないが、引退すれば時間があるのだから、ゆっくりでも構わない。若い時の意識を引きずり、自分が他者を見る時に、遅いのが恥ずかしいとか、早くできないヤツは馬鹿だと思っているのではないか。自分の中の不合理な他者評価に気付き修正していければ、この壁は乗り越えられると思う。
 

(3)  自らの年寄り意識を捨てる。能力に合わせようとしない

===== 引用はじめ
 「無理だ!」とか「何かあればどうするのか?」という疑問を持つ人もいるでしょう。「いい年をして何を考えているのだ?」と思われたくないので、やりたいことを自重している人もいると思います。
===== 引用おわり

 「年寄りは年寄りらしくしなければいけない」という思い込みがあるのではないか。そういう意識が自らにあると、他者からの発言に動じてしまう。自分の能力が衰えているとしても、どれだけかは自分でもわからない。やってみて、無理があれば調整すればよい。能力に合わせて行動するのはおかしい。基準とする能力は、挑戦によって向上するのだから、それは基準にならない。
 

(4)  割り切る。言い訳をしない

===== 引用はじめ
 乱暴な言い方ですが、多少危険な事でも、「何かあれば寿命だ」と割り切れば、若い人より気楽でしょう。「周囲に迷惑が掛かる」という言い訳もありますが、長く生きていたら、いずれ認知症や介護で迷惑をかけることになります。
===== 引用おわり

 チャレンジ精神を発揮できるかどうか。チャレンジするとは、リスクを背負うことである。リスク回避を優先すれば、当然ながらチャレンジはできない。割り切れば、進みやすい。言い訳を考えていては、前に進めない。
 

(5)  孤立しない

 何かをしようとすれば、必ず何か問題が起こる。若い時は人との接触が多いが、高齢になると減ってくる。相談にのってくれる人、愚痴を聞いてくれる人、慰めてくれる人、励ましてくれる人、できれば、一緒に泣いてくれる人が必要だ。多くの数はいらないが、ゼロで困難に耐えるのは難しい。孤立していないことも重要だ。
 

(6)  トータルの一部としての意識、託するという意識を持つ

 「我が我が」では、自分の死で全てなくなってしまう。そうすると、夢も目標も持ちにくい。トータルの一部のとしての自分であれば、自分が死んでもトータルは生き残る。子や孫や次の世代のことを想いやれるところまでやって、後は託せばよいのではないか。そうであれば、死を乗り越えて、夢や目標をもてると思う。
 


<出典>
石蔵文信、夢や目標を持とう
【山あの谷あり】  産経新聞(2019/04/24)

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