1か月前の記事ですが、取り上げます。
===== 引用はじめ
日本製鉄、JFEスチール、神戸製鋼所、日鉄日新製鋼の鉄鋼4社は4日、定年を60歳から65歳に延長することで労使間で合意したと発表した。令和3(2021)年度以降に60歳になる社員が対象。
労働人口の減少や年金支給開始年齢の引き上げに対応する。若手社員への技能伝承により、技術力を維持する狙いもある。
===== 引用おわり
いよいよ、本格化し始めました。
===== 引用はじめ
定年延長に業界が足並みをそろえて取り組むのは異例。国内の鉄鋼労働者数は約18万人に上り、雇用慣習に大きな影響を及ぼしそうだ。少子高齢化の進展を見据え、他業種にも同様の動きが広がる可能性がある。
===== 引用おわり
労働組合も歓迎しています。
===== 引用はじめ
鉄鋼や造船などの労働組合でつくる「基幹労連」の弥久末顕事務局長は4日の記者会見で「画期的とも言え、高く評価する。全ての世代の将来不安の解消につながる」と述べた。
===== 引用おわり
しかし、良い事ばかりではありません。
職場が、高齢化する。日本全体が高齢化するのだから当然と言えば当然だが、若い労働者にとっては、自分より年上の人が増えて、やりにくくなる。高齢者が役職に居続けると、若い人の出世が妨げられる。高齢者から役職を取り上げると、モラール~(軍隊や会社など組織体の)士気・風紀~に影響する。また、年下の上司・年上の部下が増え、やりにくくなる。何しろ、モラールの下がった先輩に指示し、動いてもらわねばならない。
「国内の鉄鋼労働者数は約18万人に上り」ということだが、「約5万人が対象となり」という記事もある(*)。率にして28%だ。インパクトは、きわめて大きい。
(*) 日本経済新聞、https://www.nikkei.com/article/DGXMZO43338450U9A400C1916M00/
産経新聞のインターネット版では割愛されているが、新聞の紙面では「労働組合側は定年延長に伴い、59歳までの社員の賃金水準が下がらないよう求める方針だ」とのことだ。非現実的だと思う。そんなことをしていたら、会社がつぶれてしまう。
日本經濟新聞には「定年延長に伴う現役世代の原資を減らさないため、入社時から65歳までを対象にした新たな雇用体系を導入する。各社の制度設計はこれから」とある。そりゃそうでしょう。
何かを変える時、必ずといっていいほど、良い事と悪い事の両方が起こる。一方だけを吹聴し、他方には「だんまりを決める」。あるいは、良い事は自分が受け取り、悪い事は他者に押し付けようとする。
こういうことばかり起きるので、疲れてしまう。
<出典>
鉄鋼4社 65歳定年 / 延長で業界足並みは異例産経新聞(2019/06/07)
鉄鋼4社が65歳に定年延長 労働人口減に対応
https://www.sankei.com/economy/news/190404/ecn1904040018-n1.html
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