総務省が発表した人口動態調査で、兵庫県神戸市の人口減少数が全国で最大となりました。
===== 引用はじめ
総務省の発表によりますと神戸市の人口は148万9820人で、前の年と比べて6235人減り全国で最も減少しました。
神戸市は少子高齢化による自然減や、東京・大阪などへの転出が減少の理由だとしていて、久元市長は7月11日の定例会見で年内をめどに人口減少対策を取りまとめる方針を示しました。
===== 引用おわり
以下の分析は引用ではなく、私が行ったものです。
データは、「神戸市の推計人口(令和元年7月1日現在)」に拠ります。http://www.city.kobe.lg.jp/information/data/statistics/toukei/jinkou/suikeijinkou.html
令和元年7月1日現在の人口動態(対前年同月)を見ると、神戸市全体で 4,857人減りました。減少幅が多かったのは、北区で1,987人減、西区で1,756人減です。この二つを合わせると、全市減の77%に相当します(注:増えている区もあります)。
この二つの区では、団塊の世代が移り住み、家族をなして人が増え、やがて子供が去り、老夫婦が残るが一方が亡くなり、独居できなくなってどこかに引き取られいてく、というのが典型的なパターンだと思います。日本国憲法
第22条で居住移動の自由が認められている日本では、自然な成り行きで、直接コントロールはできません。平成30年度のデータでは、神戸市全体で 5,052人減、その内訳は、自然増加数が 5,074人減、社会増加数が22人増です。つまり、社会増加数は均衡していて、自然増加数がそのまま、神戸市全体の増減に反映されていることになります。自然増加数は、なおさら直接コントロールできません。
社会増加数を増やせば、神戸市の人口は増えるのですが、どんなものでしょうか。その分、周辺の自治体の社会増加数が減ります。つまり、周辺自治体を犠牲にして、自分の自治体だけを良くしようとするものであり、日本全体としては良いことはありません。
政策としては、三つあると思います。
①
自然増加数が増えるよう、働きかける
②
社会増加数が増えるよう、働きかける③ 人口が減っても幸せに暮らせる社会を作っていく
人口を増やすための①の目安は、合計特殊出生率(*)を増やすことです。しかし、実際の人口の増加は「15歳から49までの女性の数」と「合計特殊出生率」の積で、「15歳から49までの女性の数」が既に激減してしまっているので、合計特殊出生率を高めても「焼け石に水」の効果しかありません。人口が激減するのを少しは緩和できるが、人口は、合計特殊出生率が高まっても、減り続けます。
(*) 合計特殊出生率とは、人口統計上の指標で、一人の女性が出産可能とされる15歳から49歳までに産む子供の数の平均を示す。(Wikipedia)
どの政策も大切ですが、最も重点的に進めるべきは、「③ 人口が減っても幸せに暮らせる社会を作っていく」だと思います。
<出典>
「人口減少幅ワースト 神戸市長「対策十分でなかった」産経新聞(2019/07/12)
「人口減少数最大の神戸市 年内に対策とりまとめ」
サンテレビジョン(2019/07/11 22:09 )
https://www.msn.com/ja-jp/news/national/%E4%BA%BA%E5%8F%A3%E6%B8%9B%E5%B0%91%E6%95%B0%E6%9C%80%E5%A4%A7%E3%81%AE%E7%A5%9E%E6%88%B8%E5%B8%82-%E5%B9%B4%E5%86%85%E3%81%AB%E5%AF%BE%E7%AD%96%E3%81%A8%E3%82%8A%E3%81%BE%E3%81%A8%E3%82%81/ar-AAEbpcw7
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