2019年7月20日土曜日

(K0811)  高齢期の引きこもりを考える(1) 社会的な側面 <社会的健康>

 
 引きこもりの話題が増えてきて、このBlogでも取り上げてきました。以前は、若者の引きこもりが中心でしたが、最近では5080問題(*)が取りざたされています。それに伴い「引きこもり」とは何か、が少しずつずれているように感じます。整理してみます。


 人口区分に、次のような概念があります。「生産年齢人口」とは、年齢別人口のうち、生産活動の中核をなす年齢の人口層を指し、日本では15歳以上65歳未満の人口がこれに該当します。「生産年齢人口」の前に「年少人口」があり、後ろに「老年人口」があります。すなわち、「年少人口」→「生産年齢人口」→「老年人口」と進んでいきます。
 
 人は生まれ、「働くことが求められない」時期から始まり、「働くことが求められる」時期を過ごし、再び「働くことが求められない」時期を通過して、死に至るのが一般的だと思います。
 
 
 8050問題は、本質的には、「働くことが求められる」時期の引きこもりです。この引きこもりと、「働く事が求められない」時期の引きこもりとは、ずいぶん違うのではないでしょうか。対処の仕方が違うのではないでしょうか。

 人口区分にちなんで、『年少引きこもり』、『生産年齢引きこもり』、『老年引きこもと名づけます。その境界線は、15歳とか65歳とかの年齢ではなく、働くことが求められるどうかで決まります。


 
 8050問題は、一人の人間において、『年少引きこもり』から『生産年齢引きこもり』へ、更には『老年引きこもり』へと引きこもり状態が継続されてしまう状況でもあります。
 
 続く。
 
 
(*)8050問題」
===== 引用はじめ
 名付け親は大阪府豊中市社会福祉協議会所属のコミュニティ・ソーシャルワーカー勝部麗子である。
 引きこもりの若者が存在していたがこれが長期化すれば親も高齢となり、収入に関してや介護に関してなどの問題が発生するようになる。これは80代の親と50代の子の親子関係での問題であることから「8050問題」と呼ばれるようになった。該当している親子の親には収入がなくなっている状態であり、様々な理由から外部への相談も難しく、親子で社会から孤立した状態に陥っている。
===== 引用おわり
Wikipedia、「8050問題」


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