2019年7月30日火曜日

(K0821)  高齢期の引きこもりを考える(5) 居場所の落とし穴 <社会的健康>

 
 引きこもりを防ごうと、最近、居場所が随分できてきました。うまくいくことと、なかなかうまくいかないこととがあります。どういうケースでうまくいかないか、一つのパターンを検討してみます。
 

===== 引用はじめ
 知的に高等な生き物が自らの心の安定を保つすべは、大きく2通りに分かれることが分かっている。仲間と集まって暮らすのが、その一つ。もう一つが、特定の空間を自分の居場所として周囲に結界を張り占有するという方法である。縄張りを形成し、専らそのなかで生活するのだ。
 どちらを選ぶかは個体次第。淡水魚のアユは友釣りで有名なように縄張りを作って侵入者を攻撃すると思われがちだが、川の淵に行くと、大勢が群れて仲良くしている。こういうライフスタイルの多様性はヒトも例外ではなく、どちらが良いとか悪いとかの話でもない。
===== 引用おわり
 
 二つのパターンがあります。居場所型と縄張り型とです。多くの居場所は、居場所型の人が設営し、その居場所を運営します。しかし、引きこもりには、縄張り型が多いようです。縄張り型人間にとって実は、居場所は居心地が悪いのです。
 

 中には、工夫している居場所もあります。例えば、「男の人には役割を与える事が大切」と考え、「あなたは、こういうことをしてくださいませんか。そうしていただけると、みんな助かります」とお願いをします。これは、縄張りを提供している、すなわち、居場所の中に縄張りをつくってあげています。縄張り型は張り切って、立派な縄張りをつくって行きます。
 
 多様な人が来やすい居場所にするために、縄張り型の人の意見を聞いてみてはいかがでしょうか。
 
 
<出典>
 
引きこもり「8050問題」逆転の発想も 京大霊長類研教授・正高信男
【新聞に喝!】 産経新聞(2019/07/07)
https://www.sankei.com/column/news/190707/clm1907070003-n1.html
 
添付図は、

http://www.tsurisoku.com/news/2017/05/28/946/

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