2020年1月7日火曜日

(K0982)  救われる命とつらい後遺症・脳病変の最前線 / ものがたり在宅塾(2) <臨死期>

 
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最愛の妻・巻子さんとは唯一動かすことのできるまぶたを使い、会話補助器を使ってわずかな会話を交わしているという。しかし、ある日、文字盤に現れたのは、『こ ろ し て く だ さ い』という8文字だった……
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 死ぬのは怖いけれど、死なないのはもっと怖いかもしれない。死ねばそこで終わる(と私は思っている)が、死ななくて死ねないと延々と続く。
 たとえ、ひどい後遺症が残ってしまうと分かっていても、家族としては生きていて欲しいだろう。でも、生き続けた本人は、どなのだろうか。
 
===== 引用はじめ
 『私の妻は62歳のとき交通事故に遭い、一命は取りとめたものの、全身麻痺となりました。以来、話すことも、食べることも、身体を起こすことも、寝返りを打つことも、指先や足先を動かすこともできず、ベッドの上で仰向けになったまま闘病生活を続けています。唯一、妻が自分の意志で動かすことができるのは、瞼だけなのです----』そんな書き出しで始まる手紙が筆者のもとに届いたのは2008年のことだった。差出人は富山市に住む松尾幸郎さん(当時73)。最愛の妻・巻子さんとは唯一動かすことのできるまぶたを使い、会話補助器を使ってわずかな会話を交わしているという。しかし、ある日、文字盤に現れたのは、『こ ろ し て く だ さ い』という8文字だった……。初孫を再び抱くこともかなわぬまま、一瞬の事故によって狂わされた幸せな老後。理不尽な司法制度や医療制度、矛盾に満ちた保険業界の対応に直面しながら、夫婦は生と死の狭間で互いを思いやり、『尊厳ある死とは何か』という問いに向き合い、事故からの8年の歳月を生き抜いた……
===== 引用おわり
『巻子の言霊 尊厳ある死を見つめた夫婦の物語』(柳原三佳著)』
https://www.mika-y.com/books/traffic/archive/?no=20151216062511
 
===== 引用はじめ
 水(血液)は破壊的だ。脳は豆腐のように柔らかく、出血によって壊されてしまう。
 高齢者の脳は特に柔らかくて傷つきやすい。出血量によって救命の可能性や後遺症の有無が決まる。出血が多いと頭の中が圧迫されてすべてがやられてしまう。
 30代の人も脳卒中を発症することがある。外見は寝ているだけに見えるから家族からは助けてほしいと懇願される。家族も1週間ぐらいたつとようやく医師の説明を落ち着いて聞けるようになる。次第に冷静になり、死をも受け入れる準備ができる。
 ドラマ「巻子の言霊」は富山市の老夫婦の実話。妻が交通事故に遭い、意識はしっかりしているのにまぶたしか動かすことができない状態になった。会話機械を通じて意思表示はできるようになったが、看病する夫は妻が死ぬよりもつらい状態であろうと考えている。
 救急医療によって救われる命があるが、長くてつらい闘病生活が続くケースもある。そうなると介護する者の精神的、経済的な負担も大きい。懇願された家族が患者を殺してしまう嘱託殺人の事案があることから目をそらしてはいけないと思う。
===== 引用おわり
ものがたり在宅塾2013 5
伊東正太郎氏(市立砺波総合病院院長)、「救命救急医療の現場で「終末期医療」を考える」、2013/12/16
https://www.narrative-home.jp/archives/700

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