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「終活」という言葉が横行し「終活しなきゃだめよ」という風潮に私は強い抵抗感がある。その抵抗感とは何か、ようやくわかった気がした。本来は、尊厳を持って最期まで生きようとして、自発的にする行為なのだろう
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30代の女性からの相談。
【相談の概要】
両親は70代前半でまだ元気。終末期医療についての希望を聞いておきたいし、遺産書も作ってもらいたいが、取り合ってくれない。
あらかじめ準備を進めておかないと、親族ともめたり、悩んだりしそう。終活話に耳を傾けてもらうには、どうすればいいでしょうか。
===== おわり
よくありそうな相談ですが、回答は辛辣です。
【回答の概要】
まだ30代のあなたは、「明日も朝日を拝める」と決めておいでではなかろうか。唾棄するにすら値しない「終活」なる語句を、使えることがその査証だ。あなたが書かれた「終活」には、相手を敬うこころがない。
「この世でひとつだけ確かなこと。ひとは死に向かって歩いていることだ」(池波正太郎)という言葉には、生きていられることへの深い感謝と、自分が保つべき尊厳の両方が、篤く充ちている。
おのれの没後を考えて、達者なうちに必要な手立てを講ずること。これは先に逝く者がなすべき務めだ。しかし断じて、活動ではない。後顧に憂いを残さず。これは尊厳に裏打ちされた、誇り高き行為である。
ご両親が達者なうちに、相手への敬いと愛情を抱いて向き合われたい。
===== おわり
「唾棄するにすら値しない終活なる語句」とまでは思わないが、私も「終活」という言葉に抵抗感がありました。本人が「終活したい」というなら別によいのですが、「あなた、終活しなさい」とは、私は言えません。ひとから言われると、私も不愉快です。
確かに相談内容を読み直すと、自分の都合ばかり書いて、親への愛情は全く感じられません。「遺産を残す親」としか見られていない。遺産書を書いたら、延命治療などせずに、さっさと早く死んでくれ、と言われているようにも感じてしまいます。
<出典>
終活 親に話を聴いてもらうには
【人生相談 あすへのヒント】 産経新聞(2020/01/13)
添付は、
https://www.kk-bestsellers.com/articles/-/7640
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