2020年1月24日金曜日

(K0999) 「オタク老人」 <定年後>

 
☆☆
現役を終わって自由になりたい。お金と時間の許す範囲で、何かのオタクになってみたいという願望がある。しかし「許す範囲で」などと言っていては、オタクにはなれない。非難や馬鹿扱いを超えてオタク老人になる
☆☆
 
(1)  オタク老人待望論
 オタク老人が少ないから、魅力ある老人が少ないのではないか。オタクは若者の特色ではない。
 
(2)  オタクとは何か
 特定の分野・物事にしか関心がなく、その事には異常なほどくわしいが、社会的な常識には欠ける人(広辞苑)
 
(3)  オタクの否定的な側面と肯定的な側面
 中途半端なオタクは、単に社会的な常識に欠けるものとみなされ、非難されたり馬鹿にされたりする。
 非難や馬鹿扱いを超えてさらにオタク化すると、それはすごい才能とか能力になる。オタクがこうじて科学者や芸術家ができている
 
(4)  オタクに達しない老人たち
 菜園に凝ったり、俳句に熱中したりする老人は多い。でも、オタクとは言えない。異常なほどにくわしくなる、すなわち専門家をもしのぐというところまでは深入りしないから。だから、非難もされず、いい趣味ですね、とほめられる。 …私(=藤波)の願望は、こんなものではない。
 
(5)  オタク老人への一歩
 極端にいえば、家庭を傾けるほど入れあげないと、オタク老人とは言えない。困った老人だ、とまわりから一目置かれるのが、オタク老人の第一歩である。
 
<出典>
坪内稔典、「オタク老人」
【モーロク満開】 産経新聞(2020/01/19)
 
添付図は、
https://www.bookbang.jp/anniversary/article/804


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