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身体の老化の進行の速度を落とす努力がアンチ・エイジング、それでも止められない変化を受け入れる努力がナチュラル・エイジングだととらえると、この二つは、相反するものでも、二者択一でもない。共にあるべき
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アンチ・エイジングとナチュラル・エイジングとは、対立する概念なのだろか。どちらかを捨て、どちらかを選ぶものなのだろうか。
老化は、主として体の衰えとして、実感します。老化は、体に様々な影響を引き起こします。
===== 引用はじめ
(1) 脳神経系
大脳萎縮や脳細胞の減少、神経伝達物質の活性低下などから、認知機能の低下が見られます。そのため、70歳以上の約1割、90歳以上になると5割が、認知機能低下に伴う認知症になります。
(2) 心血管系
左室の肥大や冠動脈硬化、運動時の最大心拍出量が低下します。これによって心筋梗塞や心肥大、心不全、高血圧を引き起こします。
(3) 呼吸器系
肺胞そのものの数の減少、肺の弾性力の低下などにより、呼吸機能が全般的に低下します。
(4) 消化器系
咀嚼や嚥下能力の低下による誤嚥性肺炎、消化管運動が低下することによる便秘や便通の異常、胃内容物の食道への逆流による逆流性食道炎などが見られます。
(5) 腎泌尿器系
糸球体の喪失や腎血流量の低下、ろ過率の低下により夜間尿量が増え、尿失禁を引き起こします。
(6) 骨格系
骨量や骨密度の低下による骨粗鬆症や骨折、関節液減少や滑膜の弾力低下による関節炎を引き起こし、寝たきりとなる方も少なくありません1)。
(7) このほか
視力の低下や聴力の低下など、高齢者には様々な身体の影響が出てくるのです。===== 引用おわり
https://www.tyojyu.or.jp/net/kenkou-tyoju/rouka/rouka.html
これらの変化(身体的衰え)は止められないが、進行の速度を落とすことはできる。
進行の速度を落とす努力がアンチ・エイジング、それでも止められない変化を受け入れる努力がナチュラル・エイジングだととらえると、この二つは、相反するものでも、二者択一でもなく、共にあるべきものだろう。
① アンチ・エイジングなきナチュラル・エイジング
② ナチュラル・エイジングなきアンチ・エイジングいずれも、健全とはいえない。
===== 引用はじめ
年をとると自然の老化があらゆる面で露呈してくる。
それを少しでもくい止めようと、アンチエイジンクという発想が流行しているらしい。しかし、老化は自然の成りゆきであって、病気ではない。
アンチ、アンチと騒ぐよりも、むしろナチュラル・エイジングを考えるべきではないだろうか。
などと、偉そうなことをいっているが、たとえ自然の摂理ではあっても、身心の老化はまことに不快なものである。
===== 引用おわり
五木寛之、「新老人の思想」、P.130
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