2021年3月11日木曜日

(K1409)  兵庫県明石舞子団地 <少子高齢化>

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65歳以上の高齢者が半数を超え、共同体の維持が困難になりつつある「限界集落」。その名を聞けば、山間部や離島をイメージする人が多いだろう。しかし、実態はより深刻だ。都市部のそばにも迫りつつある

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 「地方消滅」というタイトルの書籍が衝撃を広げたことがあったが、それから数年がたち、全国各地で実際に消滅する集落が相次いでいるのが現実だ。総務省などの調査によると、一昨年4月までの4年間で139集落(対象の0・2%)が消滅。2744集落(同4・3%)がいずれ消える可能性があると指摘した。

 消滅危機にある集落が拡大する地方を起点に、衰退の波は都市部に近いニュータウンにまで達している。各地で再生の試みが進むとはいえ、時流の変化を捉え切れず世代交代に失敗すれば、ニュータウンの限界集落化は避けられない。

 

 神戸市と兵庫県明石市にまたがる明石舞子団地。通称「明舞(めいまい)団地」は、高度成長期に全国で生まれたニュータウンの一つだ。

 前回の東京五輪が開かれた昭和39年に入居が始まり、最盛期には約3万7千人が暮らした。だが人口のピークは半世紀近く前の昭和50年。以降は減少に歯止めがかからず、平成27年には約2万人に落ち込んだ。

 

 コロナ禍は「都心」「駅近」が人気だった「住」の価値観を変えた。自宅でのテレワークは職住融合という新しいライフスタイルを生み、仕事環境を整えやすい広い物件を求める郊外志向にシフトしている。郊外にあるニュータウンはこの風に乗れるのだろうか。

 高齢化が進む明舞団地でも、若い世代を呼び込むために団地の計画的な建て替えが進む。行政による子育て支援の拡充も手伝い、高齢化率が減少に転じたエリアも出ている。「変化に対応できる多様な選択肢を持つ必要がある」。明舞団地をフィールドに研究を続ける兵庫県立大の和田真理子准教授は言う。

 

<出典>

(4)「限界集落」都市部に迫る

【地方変動】第1部・溶ける自治体  産経新聞(2021/03/03)

https://www.sankei.com/politics/news/210303/plt2103030001-n1.html




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