2021年6月22日火曜日

(K1514) アルツハイマー病の新薬 米FDA承認。エーザイが共同開発

 【アルツハイマー病・ 症状の進行抑制 】「 アデュカヌマブ 」が、「原因と考えられる脳内の異常なタンパク質『 アミロイドβ 』を減少させる効果を示した」として、「 アルツハイマー病の 治療薬 」としてアメリカで承認された。


 アルツハイマー病の治療薬としてアメリカの製薬会社と日本のエーザイが共同で開発した新薬について、アメリカのFDA=食品医薬品局は原因と考えられる脳内の異常なタンパク質を減少させる効果を示したとして治療薬として承認したと発表しました。

 アメリカの製薬会社「バイオジェン」と日本の「エーザイ」が開発したアルツハイマー病の新薬「アデュカヌマブ」は症状の進行を抑えることを目的とした薬で、脳にたまった「アミロイドβ」と呼ばれる異常なたんぱく質を取り除き、神経細胞が壊れるのを防ぐとしています。

 これについてFDA7日「臨床試験の結果、『アミロイドβ』の減少が確認され、患者の症状への効果が合理的に予測される」と評価し治療薬として承認したと発表しました。

 FDAによりますとアルツハイマー病の新薬が承認されたのは2003年以来18年ぶりで、アミロイドβに作用する治療薬は初めてだということです。

 

● 留意すべきこと

 

(1)    【アルツハイマー病の軽度認知症や初期の認知症の人が対象】「アミロイドβ」を取り除くことができても一度壊れてしまった脳の神経細胞を元に戻すことは難しいことから、治療はできるだけ早い段階で始める必要があるとされていて、この薬も認知症を発症する手前の「軽度認知障害」の人やごく初期の認知症の人を対象として臨床試験が行われていました。

「アルツハイマー病でない認知症や、進行した人は対象外となる。」(産経新聞 2021/06/13

 

(2)    【年に約610万円かかる】「アデュカヌマブ」の開発を主導してきたアルフレッド・サンドロック博士は、FDAの承認について「アルツハイマー病は、家族を認識できなくなったり、自立した生活が送れなくなったりと、患者と社会にとって影響の大きい病気で、この薬の価値は、コストに見合うと考えている」と承認の意義について述べました。 →

「4週間に1回の点滴投与で、価格の目安は年5万6千ドル(約610万円)。」

https://www.sankei.com/article/20210609-JAGKMHBYLFPE7I2JXF4Y7MMNGE/

 

(3)    【承認を取り消されることもある】今回の承認は深刻な病気の患者に早期に治療を提供するための「迅速承認」という仕組みで行われたため、FDAは追加の臨床試験で検証する必要があるとしていて、この結果、効果が認められない場合には承認を取り消すこともあるとしています。

 

(4)    【承認に異論が噴出している】アルツハイマー新薬、米当局の承認に異論噴出: バンダービルト大学メディカルセンターの神経科医であるシュラグ氏がこの新薬を処方する可能性は低い。「効果があるかどうかわかりませんし、深刻な副作用があるかもしれません」

https://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/21/061500299/

 

<出典>

アルツハイマー病の新薬 米FDA承認と発表 エーザイが共同開発

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210608/k10013072991000.html

動画あり



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